エントレ

普段はエンジニアとして働くNSCA-CPT持ちのパーソナルトレーナーが身体づくりと栄養について解説します。

超回復は筋肉の発達メカニズムではない?どのように筋肉は発達するのか解説

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筋肉を大きくしよう(発達させよう)!と考えた時、皆さんはどうしますか?

様々な方法があると思いますがウェイトトレーニングのように筋肉に負荷をかけて発達を促すのが一般的だと思います。

その理解の通り、筋肉はウェイトトレーニングを行うことによって発達し筋力も向上します。

筋肉を発達させる目的は人それぞれなのでそれに合わせてトレーニング方法も様々存在しますが、筋肉が発達する仕組みは全部同じです。

では、トレーニングをしたとき筋肉はどのように発達するか分かりますか?

実は一般的に言われている超回復の原理で筋肉は発達しているわけではないんです!

今回は筋肉がどのように発達するのか解説したいと思います。

超回復の話

冒頭にお話した超回復という言葉、恐らく多くの人が筋肉が発達するときの現象だと理解していると思います。

内容はこんな感じではないでしょうか?

 

レーニングによる負荷で筋線維が破壊される→36~72時間の期間をかけて筋肉がトレーニング前よりも強くなるように成長する→結果、筋肥大と共に筋力もアップする→これを繰り返すことで筋肉が発達していく

 

実は、この内容は筋肉が発達するメカニズムでも超回復という現象の説明でもありません。

詳しく言うとこの内容はグリコーゲンの超回復と筋肉の発達メカニズムの内容がごちゃ混ぜになっています。

グリコーゲンの超回復というのはいわゆるカーボ・ローディングのことで、1990年に発表されている論文で解説されている有名な理論です。*1

論文中ではグリコーゲンの超回復を以下のように説明しています。

 

レーニングによって減少した筋肉中グリコーゲンがトレーニング後36~72時間の間に元の水準よりも多く蓄えられる現象を表す。

 

"筋肉中に蓄えられるグリコーゲンがトレーニング後にトレーニング前よりも多く蓄えられる"という部分が筋肉が大きくなるという内容に混同されて広まってしまったことが原因のようです。

この間違いが広がるのに筋肉痛の回復期間が重なっていることも影響しています。

よっぽどひどい筋肉痛でなければ大抵はトレーニング後36~72時間の間に筋肉痛は回復します。

筋肉痛の回復過程とカーボ・ローディングの内容が重なる部分があったために勘違いが起きてしまったようです。

この勘違いは厚生労働省のような公的機関の解説でも見られるため尚更拍車がかかってしまったようです。*2

 

筋肉が発達するメカニズム

一般的に知られている超回復の内容が筋肉の発達ではないとすると、筋肉はどのように発達するのでしょうか?

実は、筋肉が発達するメカニズムは筋肉がストレスに対して適応しようとする反応です。

筋肉に限らず私達の身体は温度変化などの環境の変化に対して身体を守ろうと適応反応を見せます。

この環境の変化というのは身体に対しては負荷(ストレス)のため、身体の方が対応しようとするわけです。

レーニングで筋肉が受ける刺激もストレスの一種です。

筋肉が受ける刺激についての解説はこちら

レーニング負荷というストレスに筋肉が適応する過程が筋肉発達のメカニズムになります。

筋肉がストレスに適応する過程は3段階に分けて考えられています。

 

警告反応期

警告反応期はウェイトトレーニングを行った後、筋肉痛が起きて筋肉痛が消えるまでの間の反応を指します。

筋肉痛というのは筋肉が負荷(ストレス)に負けて筋繊維が傷ついている状態です。

つまり筋肉が負荷(ストレス)に対して驚いている状態といってもいいでしょう。

そして筋肉痛が治ってくると反応は落ち着いていきます。

警告反応期はこの2段階に分かれているため、筋肉が驚いている筋肉痛の状態をショック相、反応が収まって筋肉痛が治ってくる状態を抗ショック相といいます。

 

抵抗期

警告反応期が終わり、さらにウェイトトレーニングを継続して負荷(ストレス)をかけていくと筋肉が次第に大きく発達していきます。

この大きく発達していく期間を抵抗期と呼びます。 

 

疲弊期

抵抗期に入って次第に筋肉は大きくなっていきますが、ハードにやりすぎると筋肉に対しては過度な負荷(ストレス)となります。

そうすると今度は筋肉が逆に落ちてしまったり怪我の原因になったります。

いわゆるオーバートレーニングの状態となってしまいます。

 

ウェイトトレーニングで筋肉を発達させる場合は疲弊期(オーバートレーニング)にならないように注意しながら進めたいところです。

そのためにはトレーニングプログラムの適切な管理が必要となります。

 

筋肉発達にあたり必要なもの

ここまでの解説で筋肉が発達するメカニズムはご理解いただけたと思います。

しかし、筋肉発達にあたり必要なものは筋肉への負荷(ストレス)だけではありません。

身体が環境に適応する活動を行うためには基となる燃料が必要です。

筋肉の場合はたんぱく質を中心とした栄養素が ないとせっかく受けた負荷(ストレス)に対して身体が対応するための燃料が足りません。

負荷(ストレス)をかけるトレーニングの日だけでなく普段から栄養管理をしっかりして燃料を身体に取り込んでおきたいところです。

 

まとめ

今回は筋肉の発達メカニズムについて解説しました。

簡単にまとめると、、、

 

超回復とはグリコーゲンの超回復のことを指し、筋肉の発達メカニズムではない。

・筋肉が発達するのは筋肉が受けた負荷(ストレス)に対する適応反応の結果

・発達には燃料となる栄養が必要不可欠

 

超回復の話は意外と知らない方も多いので今回の解説で是非正しい知識を身につけていただければと思います。

 

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*1:1990 Ball State University, “Effect of Exercise-Diet Manipulation on Muscle Glycogen and Its Subsequent Utilization During Performance

*2:筋力・筋持久力:厚生労働省