エントレ

普段はエンジニアとして働くNSCA-CPT持ちのパーソナルトレーナーが身体づくりと栄養について解説します。

食事管理で意識しておきたいPFCバランスとは?

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健康やダイエットのために食事管理をしようと思ったとき考えるのは"野菜中心"、"バランスの良い食事"といったキーワードがすぐに思いつくと思います。

では、"バランスの良い食事"とはどのような食事を指すかパッと思いつきますか?

 

恐らく多くの人が具体性に欠けていて"バランスの良いイメージの食事"を考えてしまっていると思います。

どのような根拠を持ってバランスが良いと言えるかわからないまま食事を管理していて健康的な身体を手に入れられるでしょうか?

 

大抵の人は失敗すると言ってよいでしょう。

今回の解説では、食事管理の失敗に陥らないように何を持ってバランスが良いといえるのか?バランスのいい食事とは何か?について解説したいと思います。

食事バランスの基本はPFCバランス

食事のバランスを考えるときは食材から考えるのではなく栄養素のバランスから考えます。

そこでよく利用されるのがPFCバランスを指標とした3大栄養素比率の管理です。

 

PFCバランスというのは毎日の摂取カロリーのうち、人の身体に特に重要な栄養素である3大栄養素 たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)のカロリー比率を指します。

 

人の身体を動かすエネルギーはこの3つの栄養素から作り出されるので非常に重要な栄養素です。

まずはたんぱく質、脂質、炭水化物それぞれの身体での役割などを解説していきます。

 

たんぱく質(Protein)

たんぱく質は人の身体の15-20%を占める身体にとって最も重要な栄養素といっても大げさではありません。

たんぱく質の役割は筋肉や血管、皮膚、髪の毛といった身体の組織の主な材料となることです。

 

そのため、たんぱく質が不足すると筋肉が減ってしまったり肌が荒れたり体調不良の原因になることが分かっています。

人の身体を構成するたんぱく質は10万種類以上ありますが、それらのたんぱく質は20種類のアミノ酸から作り出されます。

 

1gあたりのカロリーは4kcalです。

 

脂質(Fat)

脂質は細胞膜や神経組織の構成成分として重要な役割を持っています。

細胞にハリを与える役割だけでなく皮下脂肪として内臓のクッションになったり体温を維持する補助をしてくれたりします。

 

また、脂溶性のビタミンと一緒に食べることでビタミンの吸収を助ける働きがあります。

過剰摂取は皆さんもご存知の通り体脂肪としてどんどん溜まってしまい肥満などの原因になってしまいます。

 

とはいえ、美容と健康に役立つ働きを多く持つ栄養素なので正しい知識を持って恐れず摂取していきたいですね!

 

1gあたりのカロリーは9kcalです。

 

炭水化物(Carbohydrate)

炭水化物の働きは体内で優秀なエネルギー源として消費されることです。

しかもエネルギーになるとき老廃物の非常に少ないクリーンなエネルギー源として活躍します。

 

多めにに摂取された炭水化物は筋肉中や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられて身体のエネルギーが枯渇したときの予備タンクとして働きます。

過剰な摂取は脂肪として変換されて脂肪細胞に体脂肪として蓄えられていきます。

 

正しく摂取することで普段の生活やスポーツの時にエネルギー切れを起こさないようにすることができます。

 

1gあたりのカロリーは4kcalです。

 

PFCバランスの目安

 

同じ摂取カロリーでもPFCバランスが整っているだけで生活習慣病の予防や改善に効果がある事がわかっていて、日本では厚生労働省が目標となる指標を提示しています。*1

 

厚生労働省が示すPFCバランスの目標値

たんぱく質:13~20%

脂質:20~30%

炭水化物:50~65%

 

このバランスを目標とすることで生活習慣病の発症予防、重症化予防に効果的といわれています。

 

ダイエットやトレーニングする人は調整が必要

厚生労働省の示すPFCバランスは生活習慣病に対する効果はありますが、ダイエットやボディメイクをするような人たちには当てはまりません

なぜなら、ダイエットやボディメイクでは健康維持ではなく運動のパフォーマンスとしてカロリー管理することになるからです。

 

ダイエットの場合もボディメイクの場合もそれぞれに合わせたPFCバランスの調整が必要です。

基本的には体型維持のためにたんぱく質の比率が増える傾向にあります。

 

脂質や炭水化物の比率は目標や手法によって調整されますが基本的にはたんぱく質の比率に合わせて変動するものと考えてください。

 

PFCバランスの計算方法

それでは、具体的なPFCバランスの計算方法について解説していきます。

まずは計算にあたり必要な情報を解説していきます。

 

必要な情報①:PFCの各カロリー量

冒頭の説明の復習になりますが、PFCそれぞれの1gあたりのカロリーは以下のようになっています。

 

PFCそれぞれの1gあたりのカロリー

たんぱく質:4kcal

脂質:9kcal

炭水化物:4kcal

 

脂質はたんぱく質、炭水化物と比べてカロリーが2倍以上あるため摂取量には十分注意したいところです。

また炭水化物は知らず知らずのうちにたくさん食べていることが多いので、これも注意が必要です。

 

必要な情報②:メンテナンスカロリー(1日の消費カロリー)

メンテナンスカロリーとは私達が1日に消費するカロリーを概算で求めたものです。

内訳としては基礎代謝量と活動代謝量から計算します。

 

基礎代謝量の計算にはハリス・ベネディクト計算式という計算式を使うと良いでしょう。

計算式はコチラ

男性:88.362 + (13.397×体重【kg】) + (4.799×身長【cm】) - (5.677×年齢【歳】)

女性:447.593 + (9.247×体重【kg】) + (3.098×身長【cm】) - (4.330×年齢【歳】) 

 

基礎代謝量に普段の活動量から係数(活動代謝量)をかけて1日に消費するカロリーの概算を求めることができます。

係数は次のように振り分けられています。

運動を普段全くしない:1.2

週に1-2回の頻度で30~1時間程度の運動を行う:1.375

週に3-4回の頻度でウェイトトレーニングまたはそれと同等の運動を行う:1.55

週に4-5回の頻度でウェイトトレーニングまたはそれと同等の運動を行う:1.725

毎日ウェイトトレーニングまたはそれと同等の運動を行う:1.9 

 

メンテナンスカロリーついて詳しくはコチラの記事で解説しています。 

あわせて読みたいメンテナンスカロリーとは? 

 

以上の情報があればあなたにふさわしいPFCバランスを計算できるようになります。

 

PFCバランスの計算

PFCの比率を計算するときはPFCごとに以下のような計算をします。

 

摂取量(g) × 単位カロリー(kcal/g) / メンテナンスカロリー(kcal) × 100 = 比率(%)

 

摂取カロリーの部分にたんぱく質・脂質・炭水化物のカロリー量を当てはめて計算します。

例えばメンテナンスカロリーが2,000kcalで、たんぱく質を1日50g摂取した場合、

 

50(g) × 4(kcal/g) /  2,000(kcal) × 100 = 10(%)

 

たんぱく質の比率は10%という結果が得られます。

逆に1日のたんぱく質の比率を10%としたい場合、

 

2,000(kcal) × 10(%) / 4(kcal/g) = 50(g)

 

10%にするのに必要なたんぱく質量は50gということが分かります。

このように計算式は比率から入るか、栄養素の絶対量から入るかで変わりますが利用する計算式自体は同様です。

 

PFCバランス計算例

この項ではPFCバランスの具体例を示しながら解説していきたいと思います。

今回は筆者(ぱらと)を例に計算していきます!

 

ちなみに筆者のメンテナンスカロリーは約3,200kcalです。

 

一般的なPFCバランス

生活習慣病予防に効果的な一般的なPFCバランスでの計算は先ほどの解説を基準にたんぱく質15%、脂質25%、炭水化物60%として計算を進めます。

メンテナンスカロリーにそれぞれの比率をかけてみると、、、

 

たんぱく質:3,200(kcal) × 15(%) / 4(kcal/g) = 120(g)

脂質:3,200(kcal) × 25(%) / 9(kcal/g) = 88.8(g)

炭水化物:3,200(kcal) × 60(%) / 4(kcal/g) = 480(g)

 

たんぱく質120g、脂質88.8g、炭水化物480gという結果が得られます。

この結果は栄養素の量なので実際に食べる量は計算結果を参考に組み立てます。

 

得られた数値から食事内容を考えると、、、 

かなり乱暴な計算にはなりますが、肉類に含まれるたんぱく質は大体100g当たり20gです(厳密には多少差があります)。

その計算でいくと120gのたんぱく質を摂ろうと思うと1日600gの肉を食べる必要があります。

 

そのため、3食で均等に摂ろうとすると毎食200gのお肉を食べれば良いという計算になります。

炭水化物の計算は白米100g当たり大体35gなので米だけで炭水化物を摂ろうと思うと1日1.3kg(約3.7合)必要です。

 

これを3食で割ると1食あたり約1.2合の炭水化物が必要というわけですね。

脂質は色々な食品や調味料に含まれるので食事に含まれている油の量から計算して過不足を調整するのが良いでしょう。

 

PFCバランスで計算したカロリー量を基に全体で必要な量を3食に分けて食べる量を考えることでどれくらい食べられるのか、あるいは現在の食事からどれくらい減らした方がいいのか、をわかりやすくしてくれます。

 

たんぱく質、糖質と異なり脂質の場合は積極的に摂取しなくても色々な食材に入っているのでどうやって摂取量を抑えるかを考えた方が調整しやすいかもしれません。

もちろん肉や白米以外の食品にもたんぱく質や炭水化物は含まれているので実際に食べる量はより少なくなりますが、食事の献立を考えるときの目安になると思います。

 

ダイエット・ボディメイク(筋トレ)の際のPFCバランス

先の解説の通りボディメイクをするならPFCバランスは厚生労働省が示す比率から調整する必要があります。

内容としてはたんぱく質量を増やし炭水化物量を減らすような調整です。

 

具体的にはトレーニングの頻度や強度などにもよりますが、体重1kgあたり2.0g程度のたんぱく質は摂取しておきたいところです。

 

また、1回の食事で20g以上のたんぱく質が摂取できるようにすると身体のタンパク質合成がより活発になり効果的です。

これを私の身体に当てはめてみると体重は95kgなので、、、

 

95 × 2 = 190(g)

 

たんぱく質は190g必要ということが分かりますね。

たんぱく質量を絶対値としてPFCバランスを計算すると、

 

たんぱく質:190(g) × 4(kcal/g) /3,200(kcal) × 100 = 23.75(%) ≒ 24(%)

脂質:3,200(kcal) × 25(%) / 9(kcal/g) = 88.8(g)

炭水化物:3,200(kcal) × (100-25-24)(%) / 4(kcal/g) = 408(g)

 

 脂質88.8g、炭水化物408gという結果が得られます。

脂質の量は今回の計算では調整していませんが実際は15~20%程度に調整することが多いです。

もしケトジェニックダイエットを行う場合は炭水化物の比率は3%以下となり脂質摂取によるカロリーで必要分を補うようになります。

 

PFCバランスを知ると何をどれくらい食べるか見えてくる

計算内容だけ並べられると混乱してしまいそうですが、自分の目標に合わせてPFCバランスを計算することで毎日どれくらいの栄養素をとればいいか明確に見えてきます。

栄養素から普段よく食べるものと照らし合わせてみることで何を食べ過ぎているのか?何が足りていないかを知ることができます。

 

食事の献立を1から組み立てるのは大変ですが、普段の食事と計算したPFCバランスを比べてみるともっと食べておきたい食材や減らしたほうが良い食材が簡単に見つかります。

ダイエットやボディメイクは運動などの消費エネルギーの管理も大事ですが、食事面の管理による摂取エネルギーの管理が成功への鍵となってきます。

 

食べ方には注意が必要

PFCバランスの計算によってたんぱく質、脂質、炭水化物をどれくらい摂取すればいいかわかりましたが、食べ方にはいくつか注意があります。

 

まず1つ目はできるだけ均等に食べること。

1日の食事は3食の方が多いと思いますができるだけ1食あたりのPFCの割合に差をつけず均等に食べることが良いです。

 

1日4食なら4等分、5食なら5等分で計算しましょう。

仮に1食で偏りがでたとしても他の食事で調整すればOKです。

 

2つ目は不足がでないようにすること。

毎日食事をしているとPFCのバランスを完璧に守る事は難しい日もあると思います。

日によって脂質が計算より多くなったり炭水化物が多くなったり、、、

 

もし1日に摂取するべき計算量より多く摂取してしまうPFCがあったとしてもオーバーした分のカロリーを他のPFCを減らすことで調整しようとしないでください。

PFCバランスの計算で算出した数字はあなたが毎日必要とするPFCの量です。

 

そのため、多少オーバーすることはあっても不足するということはないようにしましょう。

 

栄養素を摂取する力は人によってバラツキがある

PFCバランスの計算には1つ落とし穴があります。

それは、人によって食べ物を消化給する力に差があるため、食べ物から栄養素をしっかり計算しても実際には思っているほど栄養素を摂取できていない場合があることです。

 

この対策としては自分の栄養の代謝能力を調べる必要があります。

最近では手軽な検査で自分の消化吸収能力を検査するサービスもでてきているので活用するとより正確なPFCバランスを計算することが可能です。

 

筆者のオススメはVitanoteというパーソナル栄養検査サービスです。

パーソナル栄養検査「VitaNote」 

 

検査自体は健康診断でやるような尿検査と同様で簡単に検査できる上、結果はPCやスマホで確認できるのでダイエットや筋トレにも活用しやすくなっています。

詳しくは別記事にまとめていますので、より正確なPFCバランスを計算したい方は検討してみてください。 

 

まとめ

今回は食事の管理には必須な計算であるPFCバランスを解説しました。

簡単にまとめると、

 

・PFCバランスは1日に摂取する総摂取カロリーのたんぱく質、脂質、糖質(炭水化物)の比率

・基本的なPFCバランスはP:F:C=1.5:2.5:6.0程度

・ダイエットや筋トレでボディメイクする場合はたんぱく質比率を増やす調整が必要

・PFCバランスを意識することで普段の食事から食べるべき食材、減らすべき食材が見えやすくなる

 

PFCバランスの計算自体はダイエットを始める際や体型の目標を立てたときなど節目のときに行えば十分です。

しかし、PFCバランスを意識することで普段の食生活からより健康的な食事を自然と食べる習慣になるので是非理解を深めていただければと思います。

 

また、ボディメイクの大前提ですがカロリー収支がマイナスにならなければ体重は落ちませんし、収支をプラスにしなければ増量することはできません。 

この記事で解説するPFCバランスはメンテナンスカロリーを基にしているので身体が本当に必要にしているカロリー量に対して大幅にずれることがありませんが、計算に対して体重の増減がうまくいかなければ調整することも大事です。

 

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