エントレ

普段はエンジニアとして働くNSCA-CPT持ちのパーソナルトレーナーが身体づくりと栄養について解説します。

食事管理で意識しておきたいPFCバランスとは?

f:id:parato:20180913224851p:plain

ダイエットやボディメイクのために食事管理をしようと思ったとき1日に摂取する総カロリー量の管理も大事ですがカロリーの"内訳"も重要です。

私たちが食事から摂取するカロリーの内訳は3大栄養素であるたんぱく質・脂質・炭水化物によってほぼ決まります。

 

このPFCのバランスが整っていると体調管理面でも優位な効果が多いことから普段から気をつけておくが有効です。

ただし、目的によってPFCの内訳は調整が必要になります。

 

そこで今回はPFCの概要と目的に合わせてどのように内訳を調整するべきなのか解説していきたいと思います。

食事バランスの基本はPFCバランス

食事のバランスを考えるときは食材から考えるのではなく栄養素のバランスから考えるのが基本です。

そのため、PFCバランスを指標とした3大栄養素比率の管理がよく利用されます。

 

PFCバランスというのは毎日の摂取カロリーのうち、人の身体に特に重要な栄養素である3大栄養素 たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)のカロリー比率を指します。

 

人の身体を動かすエネルギーはこの3つの栄養素から作り出されるので非常に重要な栄養素です。

まずはたんぱく質、脂質、炭水化物それぞれの身体での役割などを解説していきます。

 

たんぱく質(Protein)

たんぱく質は人の身体の15-20%を占める身体にとって最も重要な栄養素といっても大げさではありません。

たんぱく質の役割は筋肉や血管、皮膚、髪の毛といった身体の組織の主な材料となることです。

 

そのため、たんぱく質が不足すると筋肉が減ってしまったり肌が荒れたり体調不良の原因になることが分かっています。

人の身体を構成するたんぱく質は10万種類以上ありますが、それらのたんぱく質は20種類のアミノ酸から作り出されます。

 

1gあたりのカロリーは4kcalです。

 

脂質(Fat)

脂質は細胞膜や神経組織の構成成分として重要な役割を持っています。

細胞にハリを与える役割だけでなく皮下脂肪として内臓のクッションになったり体温を維持する補助をしてくれたりします。

 

また、脂溶性のビタミンと一緒に食べることでビタミンの吸収を助ける働きがあります。

過剰摂取は皆さんもご存知の通り体脂肪としてどんどん溜まってしまい肥満などの原因になってしまいます。

 

とはいえ、美容と健康に役立つ働きを多く持つ栄養素なので正しい知識を持って恐れず摂取していきたい栄養素です。

 

1gあたりのカロリーは9kcalです。

 

炭水化物(Carbohydrate)

炭水化物の働きは体内で優秀なエネルギー源として消費されることです。

しかもエネルギーになるとき老廃物の非常に少ないクリーンなエネルギー源として活躍します。

 

多めにに摂取された炭水化物は筋肉中や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられて身体のエネルギーが枯渇したときの予備タンクとして働きます。

過剰な摂取は脂肪に変換されて脂肪細胞で体脂肪として蓄えられていきます。

 

正しく摂取することで普段の生活やスポーツの時にエネルギー切れを起こさないようにすることができます。

たんぱく質や脂質にもいえることですが多くても少なくても身体には悪影響がある栄養素です。

 

1gあたりのカロリーは4kcalです。

 

PFCバランスの目安

摂取カロリーが同じ場合でもPFCバランスが整っているかどうかで健康状態大きな影響を与えます。

適切なPFCバランスは生活習慣病の予防や改善に効果がある事がわかっていて、日本では厚生労働省が目標となる指標を提示しています。*1

 

厚生労働省が示すPFCバランスの目標値

たんぱく質:13~20%

脂質:20~30%

炭水化物:50~65%

 

このバランスを目標とすることで生活習慣病の発症予防、重症化予防に効果的といわれています。

具体的な計算方法について後述します。

 

ダイエットやボディメイクの時には調整が必要

厚生労働省の示すPFCバランスは生活習慣病に対する効果はありますが、ダイエットやボディメイクをするような人たちには当てはまりません

なぜなら、ダイエットやボディメイクでは健康維持ではなく運動のパフォーマンスとしてカロリー管理することになるからです。

 

ダイエットの場合もボディメイクの場合もそれぞれに合わせたPFCバランスの調整が必要です。

基本的には体型維持のためにたんぱく質の比率が増える傾向にあります。

 

脂質や炭水化物の比率は目標や手法によって調整されますが基本的にはたんぱく質の比率に合わせて変動するものと考えてください。

具体的な調整例については後述します。

 

PFCバランスの計算方法

それでは、具体的なPFCバランスの計算方法について解説していきます。

まずは計算にあたり必要な情報を解説していきます。

 

必要な情報①:PFCの各カロリー量

PFCそれぞれの解説でも説明しましたが、PFCそれぞれの1gあたりのカロリーは以下のようになっています。

 

PFCそれぞれの1gあたりのカロリー

たんぱく質:4kcal

脂質:9kcal

炭水化物:4kcal

 

脂質はたんぱく質、炭水化物と比べてカロリーが2倍以上あるため摂取量には十分注意したいところです。

また炭水化物は糖質としていつのまにかたくさん摂取していることが多いので注意が必要です。

 

必要な情報②:メンテナンスカロリー(1日の消費カロリー)

メンテナンスカロリーとは私達が1日に消費するカロリーを計算したものです。

内訳は安静にしていても消費される基礎代謝量と日中の活動によって消費される活動代謝量から計算されます。

 

基礎代謝量の計算方法は色々ありますが、当ブログではダイエットやボディメイクをする方が多く読まれるということでハリス・ベネディクト計算式という計算式をオススメします。

ハリス・ベネディクト計算式は以下のような計算式になっています。

男性:88.362 + (13.397×体重【kg】) + (4.799×身長【cm】) - (5.677×年齢【歳】)

女性:447.593 + (9.247×体重【kg】) + (3.098×身長【cm】) - (4.330×年齢【歳】) 

 

基礎代謝量に普段の活動量から得られる係数(活動代謝量)をかけて1日に消費するカロリーを概算することができます。

係数は次のように振り分けられています。

運動を普段全くしない:1.2

週に1-2回の頻度で30~1時間程度の運動を行う:1.375

週に3-4回の頻度でウェイトトレーニングまたはそれと同等の運動を行う:1.55

週に4-5回の頻度でウェイトトレーニングまたはそれと同等の運動を行う:1.725

毎日ウェイトトレーニングまたはそれと同等の運動を行う:1.9 

 

係数については大体の判断でOKです。

一旦計算して後から計算し直すことは全く問題ありません。

 

以上の情報があればあなたにふさわしいPFCバランスを計算できるようになります。 

メンテナンスカロリーついて詳しくはコチラの記事で解説しています。 

あわせて読みたいメンテナンスカロリーとは? 

 

PFCバランス(比率)の計算

PFCの比率を計算するときはPFCごとに以下のような計算をします。

 

摂取量(g) × 単位カロリー(kcal/g) / メンテナンスカロリー(kcal) × 100 = 比率(%)

 

摂取カロリーの部分にたんぱく質・脂質・炭水化物のカロリー量を当てはめて計算します。

例えばメンテナンスカロリーが2,000kcalで、たんぱく質を1日50g摂取した場合、

 

50(g) × 4(kcal/g) /  2,000(kcal) × 100 = 10(%)

 

たんぱく質の比率は10%という結果が得られます。

逆に1日のたんぱく質の比率を10%としたい場合、

 

2,000(kcal) × 10(%) / 4(kcal/g) = 50(g)

 

10%にするのに必要なたんぱく質量は50gということが分かります。

このように計算式は比率から入るか、栄養素の絶対量から入るかで変わりますが利用する計算式は同じです。

 

PFCバランス計算例

この項ではPFCバランスの具体例を示しながら解説していきたいと思います。

今回は筆者(ぱらと)を例に計算していきます!

 

ちなみに筆者のメンテナンスカロリーは約3,200kcalです。

 

一般的なPFCバランス

生活習慣病予防に効果的な一般的なPFCバランスでの計算は先ほどの解説を基準にたんぱく質15%、脂質25%、炭水化物60%として計算を進めます。

メンテナンスカロリーにそれぞれの比率をかけてみると、、、

 

たんぱく質:3,200(kcal) × 15(%) / 4(kcal/g) = 120(g)

脂質:3,200(kcal) × 25(%) / 9(kcal/g) = 88.8(g)

炭水化物:3,200(kcal) × 60(%) / 4(kcal/g) = 480(g)

 

たんぱく質120g、脂質88.8g、炭水化物480gという結果が得られます。

この結果は栄養素の量なので実際に食べる内容は計算結果を参考に組み立てます。

 

得られた数値から考える具体的食事内容 

かなり乱暴な計算にはなりますが、肉類に含まれるたんぱく質は大体100g当たり20gです(厳密には多少差があります)。

その計算でいくと120gのたんぱく質を摂ろうと思うと1日600gの肉を食べる必要があります。

 

そのため、3食で均等に摂ろうとすると毎食200gのお肉を食べれば良いという計算になります。

炭水化物の計算は白米100g当たり大体35gなので米だけで炭水化物を摂ろうと思うと1日1.3kg(約3.7合)必要です。

 

これを3食で割ると1食あたり約1.2合の炭水化物が必要というわけですね。

脂質は色々な食品や調味料に含まれるので食事に含まれている油の量から計算して過不足を調整するのが良いでしょう。

 

PFCバランスで計算したカロリー量を基に全体で必要な量を3食に分けて食べる量を考えることでどれくらい食べられるのか、あるいは現在の食事からどれくらい減らした方がいいのか、をわかりやすくしてくれます。

 

たんぱく質、糖質と異なり脂質の場合は積極的に摂取しなくても色々な食材に入っているのでどうやって摂取量を抑えるかを考えた方が調整しやすいかもしれません。

もちろん肉や白米以外の食品にもたんぱく質や炭水化物は含まれているので実際に食べる量はより少なくなりますが、食事の献立を考えるときの目安になると思います。

 

ダイエット・ボディメイク(筋トレ)の際のPFCバランス

先の解説の通りボディメイクをするならPFCバランスは厚生労働省が示す比率から調整する必要があります。

内容としてはたんぱく質量を増やし炭水化物量を減らすような調整です。

 

具体的にはトレーニングの頻度や強度などにもよりますが、体重1kgあたり2.0g程度のたんぱく質は摂取しておきたいところです。

 

また、1回の食事で20g以上のたんぱく質が摂取できるようにすると身体のタンパク質合成がより活発になり効果的です。

これを私の身体に当てはめてみると体重は95kgなので、、、

 

95 × 2 = 190(g)

 

たんぱく質は190g必要ということが分かりますね。

たんぱく質量を絶対値としてPFCバランスを計算すると、

 

たんぱく質:190(g) × 4(kcal/g) /3,200(kcal) × 100 = 23.75(%) ≒ 24(%)

脂質:3,200(kcal) × 25(%) / 9(kcal/g) = 88.8(g)

炭水化物:3,200(kcal) × (100-25-24)(%) / 4(kcal/g) = 408(g)

 

 脂質88.8g、炭水化物408gという結果が得られます。

脂質の量は今回の計算では調整していませんが実際は15~20%程度に調整することが多いです。

もしケトジェニックダイエットを行う場合は炭水化物の比率は3%以下となり脂質摂取によるカロリーで必要分を補うようになります。

 

何をどれくらい食べるか見えてくる

計算内容だけ並べられると混乱してしまいそうですが、自分の目標に合わせてPFCバランスを計算することで毎日どれくらいの栄養素をとればいいか明確に見えてきます。

栄養素から普段よく食べるものと照らし合わせてみることで何を食べ過ぎているのか?何が足りていないかを知ることができます。

 

食事の献立を1から組み立てるのは大変ですがPFCバランスを計算する積極的に食べたい食材や減らしたい食材が簡単に見つかります。

ダイエットやボディメイクは運動などによる消費エネルギーの管理も大事ですが、摂取エネルギーの管理も重要で成功への鍵になります。

 

食べ方には注意が必要

PFCバランスの計算によってたんぱく質、脂質、炭水化物をどれくらい摂取すればいいかわかりましたが、食べ方にはいくつか注意があります。

 

まず1つ目はできるだけ均等に食べること。

1日の食事は3食の方が多いと思いますができるだけ1食あたりのPFCの割合に差をつけず均等に食べることが良いです。

 

1日4食なら4等分、5食なら5等分で計算しましょう。

とはいえ、偏りがでることもあると思うのでその場合は前後の食事で調整すればOKです。

 

2つ目は不足がでないようにすること。

毎日食事をしているとPFCのバランスを完璧に守る事は難しい日もあると思います。

日によって脂質が計算より多くなったり炭水化物が多くなったり、、、

 

もし1日に摂取するべき計算量より多く摂取してしまうPFCがあったとしてもオーバーした分のカロリーを他のPFCを減らすことで調整しようとしないでください。

PFCバランスの計算で算出した数字はあなたが毎日必要とするPFCの量です。

 

そのため、多少オーバーすることはあっても不足するということはないようにしましょう。

 

栄養素を摂取する力は人によってバラツキがある

PFCバランスの計算には1つ落とし穴があります。

それは、人によって食べ物を消化給する力に差があるため、食べ物から栄養素をしっかり計算しても実際には思っているほど栄養素を摂取できていない場合があることです。

 

この対策としては自分の栄養の代謝能力を調べる必要があります。

最近では手軽な検査で自分の消化吸収能力を検査するサービスもでてきているので活用するとより正確なPFCバランスを計算することが可能です。

 

筆者のオススメはVitanoteというパーソナル栄養検査サービスです。

パーソナル栄養検査「VitaNote」 

 

検査自体は健康診断でやるような尿検査と同様で簡単に検査できる上、結果はPCやスマホで確認できるのでダイエットや筋トレにも活用しやすくなっています。

詳しくは別記事にまとめていますので、より正確なPFCバランスを計算したい方は検討してみてください。 

 

まとめ

今回は食事の管理には必須な計算であるPFCバランスを解説しました。

簡単にまとめると、

 

・PFCバランスは1日に摂取する総摂取カロリーのたんぱく質、脂質、糖質(炭水化物)の比率

・基本的なPFCバランスはP:F:C=1.5:2.5:6.0程度

・ダイエットや筋トレでボディメイクする場合はたんぱく質比率を増やす調整が必要

・PFCバランスを意識することで普段の食事から食べるべき食材、減らすべき食材が見えやすくなる

 

PFCバランスの計算自体はダイエットを始める際や体型の目標を立てたときなど節目のときに行えば十分です。

しかし、PFCバランスを意識することで普段の食生活からより健康的な食事を自然と食べる習慣になるので是非理解を深めていただければと思います。

 

また、ボディメイクの大前提ですがカロリー収支がマイナスにならなければ体重は落ちませんし、収支をプラスにしなければ増量することはできません。 

この記事で解説するPFCバランスはメンテナンスカロリーを基にしているので身体が本当に必要にしているカロリー量に対して大幅にずれることがありませんが、計算に対して体重の増減がうまくいかなければ調整することも大事です。

 

「エントレ」ではダイエットを含む身体づくりに関する相談をお受けしています。

お問い合わせはお問い合わせフォームまたはTwitterアカウントへDMやリプライでも受け付けております。

NSCA-CPTトレーナーである筆者が丁寧に対応させていただきます。

まずはお気軽にご連絡ください。