皆さん筋トレしてますか?
筋トレについてある程度知識がついてくるとエキセントリックやコンセントリックといった言葉聞くようになると思います。
これは筋肉の動きに対する力の発揮の仕方を表していますがそれぞれの力の発揮形態についてよく理解しないと効率的にトレーニングすることができません。
そこで今回は筋肉が力を発揮する形態について解説したうえで効率的なトレーニングに活かすにはどうすれば良いのか解説したいと思います。
【この記事で得られる情報】
・3種類の筋肉の力の発揮形態の違いについて
・力の発揮形態によって異なるトレーニングの方法について
・力の発揮形態によって違う筋肉の疲労度合い(筋肉痛のなりやすさ)について
筋肉の動き方
筋肉の力の発揮形態について知る前に筋肉の動き方について理解しておきましょう。
筋肉の動き方を知っておくとよりトレーニングの対する理解が深まるのでお付き合いください。
複雑に動いているように見える私達の身体ですが筋肉は単体で見ると収縮するかそれを緩めるかの動きしかできません。
筋肉には色々な形状があり幅広かったり長かったりと様々な種類があります。
しかし、どの筋肉の収縮と弛緩の動きしかできないのは同じです。
筋肉単体で見ると単調な動きしかできませんが全身の骨に合わせて様々な箇所に付いているため複雑な人の関節の動きを実現しています。
特に肩関節や股関節周辺の筋肉の付き方は複雑で全身の関節の中でも動きのバリエーションが多い関節となっています。
そのため、1つの関節に対するトレーニングでも狙う筋肉の違いによって沢山のトレーニング方法が考案されています。
筋肉が力を発揮する形態3種類
筋肉の動かし方について解説したところで筋肉が力を発揮する形態の解説に進みたいと思います。
筋肉の力を発揮する形態は3種類あります。
力の発揮形態によって筋肉がどのように働いているか微妙に変わってきます。
コンセントリック
1つ目の力の発揮形態はコンセントリックと呼ばれる筋肉が収縮しながら力を発揮する形態です。
日本語では短縮性収縮と呼ばれます。
基本的には重力に逆らう方向に力を発揮しようとするとコンセントリックの動作となることが多いです。
例えば上腕二頭筋のトレーニングでいうとアームカールでウェイトを下から持ち上げる動作(力こぶを作る動作)をするときコンセントリックによる力の発揮を行っています。
ウェイトトレーニングにおいてこのような動作をポジティブ動作と呼びます。
エキセントリック
2つ目の力の発揮形態はエキセントリックと呼ばれる筋肉が伸びながら力を発揮する形態です。
日本語では伸張性収縮と呼ばれます。
基本的には重力に沿った方向に力を発揮しようとするとエキセントリックの動作となることが多いです。
先ほどのアームカールの例でいえばウェイトを上から降ろす動作(肘関節を開いていく動作)をするときエキセントリックによる力の発揮を行っています。
ウェイトトレーニングにおいてこのような動作をネガティブ動作と呼びます。
アイソメトリック
3つ目の力の発揮形態はアイソメトリックと呼ばれる筋肉が同じ長さを保ちながら力を発揮する形態です。
日本語では等尺性収縮と呼ばれます。
アイソメトリックでは重力方向に逆らうわけでも沿うわけでもなく固定するような動作となります。
またまたアームカールの例でいうとウェイトを持ち上げるあるいは降ろす途中でウエイトを止めた状態にする動作(腕が曲がったままの動作)をするときアイソメトリックによる力の発揮を行っています。
ウェイトトレーニングにおいてこのような動作をアイソメトリクス動作と呼びます。
厳密には固定しているので動作とは言えませんが。
発揮形態によって違う力の大きさ
3種類の力の発揮形態の違いは動作だけでなく発揮できる力の大きさにも現れます。
多少例外はありますが基本的に力を発揮できる大きさはエキセントリック(ネガティブ)>アイソメトリック(アイソメトリクス)>コンセントリック(ポジティブ)の順になります。
つまりコンセントリックよりもエキセントリックの動作の方が重いウエイトを扱ってトレーニングすることが可能ということです。
ここでは例として懸垂で考えてみましょう。
懸垂ではぶら下がった状態から身体を引き上げる動作がコンセントリック、引き上げた状態から身体を下ろしていく動作がエキセントリック、引き上げるまたは下ろしていく途中で身体を止める動作がアイソメトリックになります。
実際に試してみると分かりますが引き上げるよりも下ろす動作の方が負荷を感じないと思います。
負荷の感じ方に差があるということ負荷の差の分大きな負荷をかけることができ取り扱う重量を大きくすることが可能です。
負荷が同じなら力の発揮形態を変えるだけで同じ筋肉でも疲労度が変わってくるということになります。
力の大きさの違いを利用したトレーニング方法
同じ筋肉でも発揮できる力の大きさが違うということは動作を限定することでより大きなウエイトを扱って刺激を与えることができます。
ここではベンチプレスを例に考えて見ましょう。
通常のベンチプレスでは100kgまでしか扱えないという方でもバーを胸の位置までゆっくり下ろす動作なら150kg扱えることもあります。
扱える重量の差を利用してバーを上げるときは補助を利用し力を使わずゆっくり下ろす動作の時だけ負荷をかけることで150kgの負荷を筋肉に与えることができます。
結果的に150kgのウエイトでトレーニングしたのと同じ効果を得ることができるというわけです。
ただし、エキセントリック動作では収縮している状態の筋肉を伸ばしながら強い負荷をかけるので刺激がかなり強いです。
通常は扱えない重量を扱うことにもなるのでオーバートレーニングになったり怪我に繋がったりするリスクは上がります。
そのためエキセントリックのみに集中したトレーニングを行う場合は補助が必須なうえ高頻度で行うことはできません。
できればパーソナルトレーナーのように知識を持った指導者に見てもらいながら行うのが良いでしょう。
力の発揮形態による疲労度の違い
力の発揮形態によって扱える最大重量の違いから分かると思いますが大きな刺激を与える分エキセントリック動作の方が疲労は大きく筋肉痛になりやすいです。
また、エキセントリックは筋肉が引き伸ばされる動作を耐えるような力の発揮の仕方なのでとにかく負担の大きい動作であることを理解しておいてください。
そのため、スポーツをしている方で試合が近い場合や日程が過密なときにエキセントリックに集中したトレーニングを行うと疲労の回復が間に合わずパフォーマンスが落ちてしまう可能性があります。
それを避けるにはコンセントリックに集中したトレーニングをやる方法があります。
先ほど解説したエキセントリック動作のトレーニングとは逆にコンセントリック動作のみのトレーニングをすることで疲労の蓄積を抑えつつトレーニング効果を得ることができます。
エキセントリック動作に比べると扱える重量は下がりますがトレーニング効果は十分あります。
クリーン系の種目などは一連の動作がコンセントリック動作ばかりなのでハイシーズン中の筋力維持によく用いられるエクササイズだったりします。
力の発揮形態を理解して適切なトレーニングを
今回は筋肉の力の発揮形態について解説しました。
筋肉が力を発揮できる力の大きさや力の発揮の仕方の違いをしっかり理解することで正しいアプローチのトレーニングを行えるようなりパフォーマンスアップだけでなく怪我予防にも有効です。
是非この記事を通して理解を深めていただければと思います。
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