皆さん筋トレしてますか?
トレーニングに励もうと思った時トレーニングの効果が最大限発揮できるようになると嬉しいですよね?
トレーニングするのに効果は少なくていいなんて人はいませんし何なら少ない労力でできるだけ効果がでないか?なんて考えるのが普通だと思います。
実際トレーニングで継続的に成果を出そうとすると単純に負荷を増やしていけばよいとは限りません。
トレーニングを続けているとトレーニング効果が伸び悩む時期が必ずやってきます。
伸び悩みに直面した時むやみにトレーニング量を増やすと場合によっては怪我に繋がるリスクが高まります。
そこで取り入れておきたいのがピリオダイゼーション(期分け)という考え方です。
トップアスリートも取り入れるピリオダイゼーションについて理解を深めることでトレーニング成果無駄にしないように続けることが可能です。
そこで今回はトレーニングプログラム作成にあたり意識しておきたいピリオダイゼーションについて解説します。
【この記事で得られる情報】
・ピリオダイゼーションとはどういう考え方なのかについて
・ピリオダイゼーションの取り入れ方について
ピリオダイゼーションとは
ピリオダイゼーション(Periodization)とはトレーニングプログラムを計画的に期間で区切ってトレーニング内容に変化を与えることです。
ピリオダイゼーションを行う主な目的はトレーニングの量や強度を適切に管理してトレーニング種目を効果的に選択することにあります。
ピリオダイゼーションを取り入れる理由(メリット)
なぜ、ピリオダイゼーションを取り入れるのか?
それはトレーニング効果を最大限に高めることが出来るからです。
筋肉がトレーニングによって成長するのはトレーニングによってかかった負荷(ストレス)に身体が対応しようとするためです。
そのため、同じ内容のトレーニングをずっと続けていると身体が負荷(ストレス)に対して慣れてしまいトレーニング効果が減少してしまいます。
同じようなトレーニング方法で取り扱う重量を徐々に増していくことも刺激の変化と言えそうですが実際の筋肉では負荷(ストレス)に対する慣れは起きてしまいます。
そこで、ピリオダイゼーションの概念を取り込むことで負荷(ストレス)に変化を与えてトレーニングで得られる効果が最大限発揮できるようにします。
ピリオダイゼーションの分類
ピリオダイゼーションの考え方に則ってトレーニングプログラムに変化を与える場合3つの基本的なサイクルに分けてプログラムを考えます。*1
マクロサイクル(Macro cycle)
1つ目のサイクルはマクロサイクルといっては最も大きな区分で1年間を通した全てのトレーニング期間を指します。
特定のスポーツやプロ選手などでは1シーズンをマクロサイクルとする場合もありますし、長いマクロサイクルではオリンピックやW杯に照準を合わせた4年サイクルも存在します。
メゾサイクル(Mezzo cycle)
2つ目のサイクルはメゾサイクルといってマクロサイクルよりも小さな区分で通常は数週間~数ヶ月の期間を指します。
シーズンのあるスポーツではシーズン前の一定期間やシーズン中の期間を指すこともあります。
プロスポーツではサイクル内の試合数によって調整することが多いです。
ミクロサイクル(Micro cycle)
3つ目のサイクルはミクロサイクルといってメゾサイクルよりさらに小さい区分で1週間~4週間程度の短い期間を指します。
ミクロサイクルは場合によっては1日ごとに区切られるようなこともあるサイクルです。
ピリオダイゼーションの考えに則ってトレーニングプログラムを作成する際はそれぞれのサイクルの構成を詰めていくことで全体の構成を組み立てていきます。
マクロだけ見ていてもだめですし、ミクロだけ見ていても効果が弱くなってしまいます。
ピリオダイゼーションの構成
ピリオダイゼーションの構成は線形型と非線形型という2種類に分けられます。
それぞれトレーニングプログラムの構成が異なるので注意が必要です。
線形型ピリオダイゼーション
線形型の場合はメゾサイクルを中心に組み立てるピリオダイゼーションです。
特徴としてはメゾサイクルごとに強度と量を大きく変化させていきます。
基本的にはメゾサイクルごとに強度を上げて、逆に量は減らしていきます。
1サイクル目:筋肥大期(基礎筋力)
1サイクル目では2サイクル目以降の高強度のトレーニングをこなすための基礎的な筋力や代謝の強化を図るサイクルになります。
トレーニング量は比較的多く、強度は低め(高回数低強度)に設定されます。
強度目安は8-12rep(75%1RM) x 3-5setです。
2サイクル目:筋力期
2サイクル目は1サイクル目よりも強度をあげて量を少し減らし中回数中強度のトレーニングを行います。
また、トレーニング種目は目的に合わせて絞っていきます。
強度目安は5-6rep(85%1RM) x 3-5setです。
3サイクル目:筋パワー期
3サイクル目は低回数高強度かつ競技特性に合わせたトレーニング種目を行います。
ここでのトレーニング効果がピーク時に発揮できるスピードやパワーに繋がります。
トレーニングの特異性を高めるというわけではなく筋パワーを高めた結果競技パフォーマンスアップに繋がるようなトレーニング種目を選択していきます。
また、1-2サイクル目のトレーニングで得られた基礎力によって3サイクル目でできるトレーニング強度が決まってきます。
強度目安は3-4rep(90%1RM) x 3-5setです。
4サイクル目:試合期(ピーク維持)
4サイクル目はピークを維持するため超高強度かつ超低回数(1-2rep)でのトレーニングになります。
4サイクル目では目的のスポーツの動きに近い(特異性の高い)2-3種目に限定します。
このサイクルではスピードやパワーの向上を目指すのではなくあくまでピークを維持することが目的となります。
強度目安は1-2rep(95%1RM以上) x 1setです。
5サイクル目:積極的休養期
5サイクル目では強度を一気におとし回数も減らします(低回数低強度)
また、トレーニング種目も1-4サイクルで行っていたものとは関連の薄い種目を選択する場合が多いです。
これによって身体的にも精神的にも回復を図ります。
強度目安は20-25rep(60%1RM以下) x 1-3setです。
線形型ピリオダイゼーション補足
基本的にはこの5サイクルを1年(マクロサイクル)の間に2-3回繰り返すことでより大きなトレーニング効果が得られるとされています。
メゾサイクル1サイクル2-3週間 x 5サイクル = 10-15週間 x 3回 = 30-45週間
1年は52週なので1年を通して線形型ピリオダイゼーションを実施すると1年の60~90%はトレーニングをしていることになります。
どの程度時間を割けるか、目標値はどのレベルかによってこのあたりは調整することになります。
トレーニング種目は1サイクル目から固定していくこともありますが、狙った筋群を鍛えるために大幅な変更はされません。
非線形型ピリオダイゼーション
非線形型ピリオダイゼーションでは1週間(マイクロサイクル)の中でトレーニング強度に変化を与えてそれを一定期間続ける方法です。
マクロサイクルで見ると線形型ピリオダイゼーションのように筋肥大期、筋力・筋パワー期、試合期、積極的休養期に分かれています。
筋肥大期:4週間程度
線形型ピリオダイゼーションと同様に後半のトレーニングでより高強度のトレーニングを行えるように基礎的な筋力を鍛えるのが筋肥大期です。
20RM程度の軽い負荷で各トレーニング種目が問題なくこなせるようになることが一般的な目安です。
筋肥大期自体が1つのメゾサイクルとなります。
筋力・筋パワー期:12-16週間
非線形型ピリオダイゼーションでメインとなる期間です。
非線形型ではコアとなるトレーニングの強度と量を1週間の中で変化させます。
これはミクロサイクルの視点で変化をつけるということになります。
もう少し具体的にいうと低回数高強度の日と高回数低強度の日、中回数中強度の日を設定し高強度→低強度→中強度のようにトレーニングする日によって変化させていきます。
連続で同じ部位をトレーニングすることは逆効果なので1週間の組み立て方の例としては、
月曜日:高強度(上半身)
火曜日:高強度(下半身)
水曜日:低強度(上半身)
木曜日:低強度(下半身)
金曜日:中強度(上半身)
土曜日:中強度(下半身)
日曜日:完全休養日
といったようにプログラムを組んだりします。
実際のトレーニング内容は目標などに合わせて調整します。
休養期:2-3週間
筋力・筋パワー期後は休養期に入ります。
線形型の際と同様極低強度のトレーニングや関連の薄い部位などのトレーニングに切り替えて回復を図ります。
非線形型ピリオダイゼーション補足
メゾサイクルごとに変化させるわけではないのでトレーニング強度が継続的に増加する線形型に比べると筋肉の神経系の疲労蓄積が少なくなるのでシーズンが長いスポーツをしている方にとっては効果的なやり方といえます。
例えば筋力・筋パワー期の途中でシーズンインしたとしてもトレーニング頻度を少し下げて継続することでスポーツの練習や試合に疲労による影響がでないように調整することもできます。
そのため線形型に比べると休息とトレーニングの調整が行いやすい方法とも言えます。
ピリオダイゼーションを活用して伸び悩み知らずに
今回はトレーニング効果を最大限発揮するために取り入れておきたいピリオダイゼーションの概念について解説しました。
ここでは概念の解説のみで具体的なトレーニングプログラムの作成については個人個人で調整していく必要があります。
目標や期間に合わせて具体的なトレーニングプログラムは変化するので自分のトレーニングプログラムを見直す良い機会となれば幸いです。
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*1:Joe Friel著 The Cyclist's Training Bible