皆さん、ストレッチしてますか?
運動する際ストレッチをして身体をほぐしましょうとよく聞くと思います。
そうよく聞くので準備運動として怪我予防として実際にストレッチに取り組む方がほとんどはないでしょうか。
しかし、一言でストレッチと言っても実は行う場面や目的によってやり方が色々あることはご存知でしょうか?
間違った選択のストレッチは運動のパフォーマンスが落ちてしまうだけでなく逆に怪我の原因に繋がる場合があります。
そこで今回はストレッチとはどういう運動なのか?どういうやり方があるのか?どういう場面でやるべきなのかについて解説します。
正しいストレッチを選択できるようにこの記事を通して理解を深めていただければと思います!
【この記事で得られる情報】
・ストレッチの本来の目的について
・ストレッチの種類について
・ストレッチの活用の仕方について
ストレッチはトレーニングの一種
トレーニングに馴染みのない人にとってストレッチは準備体操、つまり身体を温めるためにやるという認識が強いと思います。
しかし、私たちトレーナーからするとストレッチは柔軟性を高めるための立派なトレーニングの一種であると認識しています。
トレーニングなのでストレッチをやるためにはキチンと準備運動(ウォームアップ)してから行うのが良いです。
本来、準備体操はストレッチの前に行うべき身体を運動できる状態にする運動を指していてストレッチとは別の意味になります。
詳しくは別記事で解説しているので参考にしてみてください。
ストレッチの効果
準備体操を正しく行ったことを前提に話を進めますが、ストレッチによる身体の反応は柔軟性が高まり各関節の可動域が広がる、筋肉の伸縮によって多少の筋発達があります。
可動域が広がることによって効率的に身体を動かせるようになり様々な動きに対して筋肉の損傷を抑えてくれる効果も期待できます。
そのため、ストレッチは運動パフォーマンス向上と怪我予防の両面で効果を発揮します。
ここでいう運動パフォーマンス向上というのは本来持っている力を十分に発揮できるようになるという意味で今まで10の力しか出なかったのがストレッチで12の力がでる、といったことはありません。
また、ストレッチの効果でよく言われる疲労回復の促進といった効果は厳密にはありません。
ストレッチは身体の血流を増やす効果があるためそれによって身体の回復を促しやすい状態を作ることは可能です。
適切なストレッチを行うためには予め身体の深部温度を高めておく必要があります。
この深部温度を高めておく動作こそが本来の準備運動(ウォームアップ)です。
ストレッチの種類
ストレッチの方法は細かく分けるとたくさんの種類がありますが、一般的に行われているのは4種類のストレッチです。
それぞれ狙いもやり方も違います。
静的ストレッチ
恐らくストレッチと聞いてほとんどの人が想像するのはこの静的ストレッチだと思います。
静的ストレッチは一定のゆっくりとしたスピードで筋肉を伸ばしていき、伸ばしきった状態でキープして柔軟性を高めます。
動作がゆっくりなうえ、筋肉を伸ばす度合いを調整しやすいので静的ストレッチによって怪我をすることはほとんどありません。
関節の可動域を向上させたい場合は静的ストレッチによって少しずつ可動域を広げていくのが有効です。
伸ばした状態は20-30秒キープすれば十分に可動域は広がります、また痛くなるほど伸ばすのは逆効果です。
可動域が広がるからといって静的ストレッチを激しく動くスポーツの前にやるのはおすすめできません。
なぜなら、静的ストレッチによって柔軟性を高めると運動パフォーマンスが落ちるという報告もあるからです。*1
運動前に行うには不向きなストレッチと言えます。
ただし、スポーツをする場面でこのあと解説する動的ストレッチを行うスペースが足りないといった場合には10-15秒程度の静的ストレッチで代用することは有効であるということがわかってきています。
動きながらストレッチをする動的ストレッチやバリスティックストレッチのためのスペースを確保できない場合は静的ストレッチで代用することも頭に入れておくと良いでしょう。
動的ストレッチ
動的ストレッチは静的ストレッチの対になるストレッチです。
静的ストレッチとの違いは伸ばしきったところで静止しないところにあります。
動的、という言葉に騙されて反動をつけたストレッチを指導する場合がありますがこれは厳密には次に紹介するバリスティックストレッチの部類になります。
動的ストレッチの例としては日本人に馴染み深いラジオ体操があります。
お手本のとおりやるラジオ体操は動的ストレッチとしてはかなり優秀で動的ストレッチというものが分からないという方でもラジオ体操を通して簡単に実践することができます。
しかもラジオ体操なら全身の骨格筋の約7割を動かすことができるので動的ストレッチとしては理想的な仕上がりになっています。
バリスティックストレッチ
バリスティックとは日本語で反動という意味を表します。
反動をつけたり急激な動きで行うストレッチを指します。
私がこれまで指導した方の傾向を見ると動的ストレッチと聞いてイメージされるストレッチの動きはこのバリスティックストレッチの動きが多いようです。
反動をつけるような急激な動きによって筋肉がストレッチできる限界まで一気に伸ばしていくストレッチ方法です。
このストレッチの原理としては一気に筋肉が伸ばされると人の身体は反射的に過度に筋肉が伸びないように筋肉を縮もうとさせます。
この縮もうとする反射は繰り返しストレッチ動作をすることでを抑えられていき筋肉の急激な伸びに対して強く縮もうとしなくなるので結果的に筋肉の柔軟度があがり傷害を予防する効果があります。
ただし、バリスティックストレッチは反動をつけて行うので一定のスピードや可動域で行うのが難しいストレッチでもあるので行う際は過度に伸ばしすぎないように注意が必要です。
PNF(固有受容性神経筋促進法)ストレッチ
PNFストレッチは聞きなれないストレッチだと思います。
効果的なストレッチですがやり方が少し複雑です。
やり方的には静的ストレッチと動的ストレッチを組み合わせたような動きをします。
また、補助するパートナーが必要です。
具体的には静的ストレッチで筋肉を伸ばした状態でキープした後そのままの姿勢でパートナーがさらにストレッチする方向に力を加えそれに負けないように力を入れて耐える、というやり方です。
前屈の動きで例えると、まずは自分の意思で静的ストレッチによって上体を倒しこみます、痛みを感じない程度まで倒したらそこで10~20秒キープします、キープした後パートナーが更に状態を倒す方向に身体を押しますがその力に負けないように体に力を入れて5~10秒程度耐えることで行うストレッチです。
このストレッチは筋肉が緩んだ状態、縮んだ状態を関節の可動域の限界付近で行うので可動域の向上などが期待できます。
ただし、パートナーが必要な点やそもそも難しいやり方ではあるので正しい知識を持った指導者と共に行うべきストレッチです。
ハムストリングスの例を動画で張り付けておきます。
やり方とコツも解説されていますが一般的な静的ストレッチや動的ストレッチとは一線を画すものであることは理解いただけると思います。
ストレッチは関節ごとに行う
静的ストレッチでは特にそうですが、ストレッチは関節(部位)ごとにしっかりと行うことが大事です。
これはウェイトトレーニングで筋肉への刺激を分散させると効果が薄くなることと同じでストレッチも効果が分散してしまうからです。
運動パフォーマンスを上げるために行う動的ストレッチやバリスティックストレッチの場合は複数の関節に対して同時に行うので目的に合わせて稼働する部位は選択する必要があります。
正しいストレッチを選択してパフォーマンスアップ
今回は正しいストレッチについてということで、代表的なストレッチの方法4種類を解説しました。
正しい知識でストレッチを選択することで怪我の予防や運動パフォーマンス向上に繋がることは間違いないのでうまく活用していきましょう。
少なくともバスケの試合前にずーっと前屈や開脚などしてるようなことはないようにしましょう。
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