皆さん筋トレしてますか?
筋トレで追い込んでいると最後の方はウエイトを挙上しきれない場面は皆さん経験したことがあると思います。
例えばベンチプレスでいえば、追い込んでいくと最後は胸から少しバーが浮いた位置から上げられなくなる、といった具合です。
トレーニングに慣れていない方の場合、こうなると筋肉はもう疲労しきっている(追い込みきっている)と勘違いしてトレーニングを終了する方が多いです。
実際にはこの状態からさらに追い込むことができるのですがそのためにはいくつかポイントを理解しておく必要があります。
筋トレで追い込むことが必ずしも最善とは限りませんが追い込んでおきたい場面は必ずあるので是非今回の記事を理解してキッチリ追い込みきるためのテクニックの土台を身につけていただければと思います。
【この記事で得られる情報】
・挙上中のウエイトが止まりやすいスティッキングポイントについて
・スティッキングポイントを理解して追い込むためのテクニックについて
スティッキングポイント(Sticking Point)とは
冒頭のベンチプレスの例で出した追い込んでいったときにウェイトがこれ以上挙がらなくなる位置はスティッキングポイントといってそのトレーニング種目において最もきつい位置のことを表します。
スティッキングポイントは種目ごとに異なり、先ほどのベンチプレスでいえば胸から少しバーが浮いた位置、スクワットなら膝が90度に曲がった位置、アームカールなら前腕が地面と平行になったぐらいの位置がそれぞれ当てはまります。
ベンチプレスの場合のきつさと胸からの距離の相関イメージ図↓
スティッキングポイントが発生するのは人の身体の構造上関節が回転方向に動くため関節からウエイトまでの水平距離が遠くなるほど筋力が必要になるからです。
そのためスティッキングポイントを超えた後ウェイトを挙げきるまでは負荷を感じつつもそこまできつさを感じずにウエイトを挙げていけることがわかると思います。
自分のスティッキングポイント確認方法
スティッキングポイントは種目ごとに大体決まっていますが人によって関節の作りなどが微妙に違うため個人差があります。
自分のスティッキングポイントを正確に知っておくとトレーニングで追い込むときに意識するポイントがわかり効率的です。
トレーニング経験がある程度長くなると自然と自分のスティッキングポイントは身体が覚えているはずですが、確認しておくこと自体は良い事だと思います。
スティッキングポイントを確認する方法はいくつかありますが、簡単な方法は4-6RM程度の重量で6-8回を目指してトレーニングを行います。
すると6回目までは最後までウェイトを挙げることができますが、7回目か8回目では途中で動きがピッタリ止まって挙げられなくなるポイントあるはずです。
そこがあなたにとってのスティッキングポイントとなります。
スティッキングポイントを確認する際は怪我をしないように慎重に行ってください。
アームカールなどの場合は片手で行い反対の手で補助すればよいですがスクワットやベンチプレスの場合セーフティバーを適切に設定したりサポートの方を準備してもらうなど注意しながら進めましょう。
また、スティッキングポイントを確認する際のウエイトの挙上はストリクトに行うことも注意したいところです。
ストリクトとは英語で"厳密に"という意味で、ウェイトトレーニングにおいては反動を使わずにウェイトを持ち上げることを言います。
反動をつけてしまうと本来スティッキングポイントだった位置を超えて分からなくなってしまったり違う位置でウェイトが止まってしまうことがあるからです。
スティッキングポイントを理解して追い込む
トレーニング種目ごとの最もきつい位置であるスティッキングポイントを理解したところで追い込むときのテクニックについて解説していきたいと思います。
チーティング
ウェイトトレーニングでは基本的に反動を使ってウェイトを挙げることはNGとされています。
理由はストリクトに挙げた時に使う筋肉とは違う筋肉の力を使ってウェイトを挙げる可能性があり狙った筋肉に刺激が入らない懸念があるからです。
パワークリーンのように複数のモーターユニットを連続的に稼働させるような場合は種目自体がチーティングの動作になるので問題ありません。
しかし、一般的なベンチプレスやアームカールではストリクトに追い込むことが正しいとされています。
ストリクトに追い込むと必ずスティッキングポイントにぶつかります。
ここでトレーニングをやめてしまうとスティッキングポイント以降の可動域での刺激が筋肉に与えられずもったいないです。
ここで、チーティングを使ってスティッキングポイントを無理やり超えてしまうことでスティッキングポイント以降の可動域に対して刺激を与えることができより筋肉を追い込むことができます。
そのため、チーティングを使った追い込みは以下のように行います。
①ストリクトにrepをこなす
②ある程度追い込んでいくとスティッキングポイントにぶつかる
③スティッキングポイントをチーティングで超えて全可動域でこなす
④チーティングを使いながら3-4rep多めにこなす
チーティングの注意点
この追い込み方の注意点としては、追い込むとき以外の場面ではチーティングを使わないようにすることです。
チーティングに慣れてしまった方で多いのが、高重量を扱うときに自然とチーティングを使ってしまい本来挙げられない重量でトレーニングをしたつもりになってしまうことです。
もちろん、チーティングを使っているとはいえトレーニング効果はありますが、ストリクトに行った場合に比べて効果が分散してしまうことは明らかです。
チーティングによって複数の筋肉を動かすことが目的でなければストリクトにトレーニングすることを意識して追い込むときにチーティングを活用しましょう。
ネガティブ
ネガティブというのは筋肉が伸びる方向に負荷をかけながらおこなうトレーニング方法のことです。
ネガティブの動作は筋肉が縮む方向とは反対の動きであるポジティブの動作よりも大きな負荷を取り扱うことができます。
トレーニングで筋肉を追い込んでいったとき、筋肉は疲労して挙げられる重量がどんどん落ちていくことを利用して最後はネガティブでギリギリまでメイン重量を挙げていくわけです。
ここで問題になるのがネガティブをするためにポジティブ動作(スティッキングポイントを超える)をする必要があるということです。
チーティングを使って超えてもいいですがその場合ポジティブ動作での追い込みになってしまいます。
では、どうすればよいかというとポジティブ動作を行わない(スティッキングポイントをスルーする)ようにすればよいのです。
例えば、ベンチプレスでいえばストリクトに追い込んだ後、ベンチ台にセットしなおした状態から降ろしていく方向にだけトレーニングを行い、下ろしきったらセーフティバーに乗せてベンチ台を降り、またセットしなおすというようにすればOKです。
アームカールならダンベルカールで両手で肘を曲げた状態までもっていって片手でネガティブ動作を行うようにすれば最後まで追い込んでいけます。
スティッキングポイントとという追い込むにはやっかいなポイントを理解しているからこそこうした追い込み方も有効であるというわけです。
アイソメトリックス
アイソメトリックスは筋肉を収縮も弛緩もさせないで同じ位置をキープする方法です。
スティッキングポイントで止まってしまったらその位置でキープして筋肉に刺激をいれることで追い込んでいきます。
チーティングやネガティブでのスティッキングポイントの回避方法と違ってスティッキングポイント自体を追い込むトリガーとして使ってしまうのです。
この方法は挙がる位置まで挙げて止まったらキープすればよいので分かりやすい追い込み方である一方でケミカルストレスと呼ばれる筋肉をパンプアップさせるような刺激になるのでボディブローのように効いてくる追い込み方です。
終わった後はかなり筋肉が疲労するので最後のセットで追い込む際に使うなど多用しないように注意したいところです。
まとめ
今回はトレーニング動作で最もきつい位置であるスティッキングポイントとスティッキングポイントを意識した追い込み方のテクニックについて解説しました。
この記事を通してより効率的に筋肉を追い込んでいけるように頑張ってみてください。
スティッキングポイントを理解することで筋肉がきちんと追い込まれているのかどうか判断しやすくなりますしセーフティをかける場合の判断もしやすくなります。
怪我には気をつけ追い込むときは思いっきり追い込んでいきましょう。
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