皆さんボディメイクしてますか?
ダイエットやボディメイクのために食事管理をしようと思ったとき1日に摂取するカロリーの全体量を管理する方は多いと思います。
しかし、健康維持を考えた時カロリーの総量だけでなくカロリーの内訳を管理することも重要な要素です。
食事から摂取するカロリーの内訳は3大栄養素であるたんぱく質・脂質・炭水化物によってほぼ決まります。
この3つの栄養素のバランスが整っていると体調管理面でも優位な効果が多いことから普段から気をつけておくが有効です。
これはダイエットでもスポーツでのパフォーマンスアップを目的とする場合も同様です。
そこで今回はカロリーの内訳であるPFCバランスの概要と計算方法について解説していきたいと思います。
【この記事で得られる情報】
・食事バランスの基本であるPFCとはなにか
・PFCバランスの目安と計算方法について
- 【この記事で得られる情報】
- PFCバランスは食事の基本
- PFCバランスの目安
- PFCバランスの計算方法
- 何をどれくらい食べるか見えてくる
- PFCバランスの落とし穴
- PFCバランスを計算して効率的なボディメイクを
PFCバランスは食事の基本
PFCバランスとは人の身体に特に重要な栄養素である3大栄養素 たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)のカロリー比率を指します。
食事のバランスを考えるときは栄養素のバランスから考えるのが基本です。
そのため、3大栄養素の比率であるPFCバランスはこうした健康管理によく利用されます。
身体を動かすエネルギーは基本的に3大栄養素から作り出されるので非常に重要な栄養素です。
たんぱく質、脂質、炭水化物それぞれの栄養素についてまずは解説していきます。
たんぱく質(Protein)
たんぱく質は人の身体の15-20%を占める身体にとって最も重要な栄養素といっても大げさではありません。
たんぱく質の役割は筋肉や血管、皮膚、髪の毛といった身体の組織の主な材料となることです。
そのため、たんぱく質が不足すると筋肉が減ってしまったり肌が荒れたり体調不良の原因になることが分かっています。
人の身体を構成するたんぱく質は10万種類以上ありますが、それらのたんぱく質は20種類のアミノ酸から作り出されます。
1gあたりのカロリーは4kcalです。
脂質(Fat)
脂質は細胞膜や神経組織の構成成分として重要な役割を持っています。
細胞にハリを与える役割だけでなく皮下脂肪として内臓のクッションになったり体温を維持する補助をしてくれたりします。
また、脂溶性のビタミンと一緒に食べることでビタミンの吸収を助ける働きがあります。
過剰摂取は皆さんもご存知の通り体脂肪としてどんどん溜まってしまい肥満などの原因になってしまいます。
とはいえ、美容と健康に役立つ働きを多く持つ栄養素なので正しい知識を持って恐れず摂取していきたい栄養素です。
1gあたりのカロリーは9kcalです。
炭水化物(Carbohydrate)
炭水化物の働きは体内で優秀なエネルギー源として消費されることです。
しかもエネルギーになるとき老廃物の非常に少ないクリーンなエネルギー源として活躍します。
多めにに摂取された炭水化物は筋肉中や肝臓にグリコーゲンとして蓄えられて身体のエネルギーが枯渇したときの予備タンクとして働きます。
過剰な摂取は脂肪に変換されて脂肪細胞で体脂肪として蓄えられていきます。
正しく摂取することで普段の生活やスポーツの時にエネルギー切れを起こさないようにすることができます。
たんぱく質や脂質にもいえることですが多くても少なくても身体には悪影響がある栄養素です。
1gあたりのカロリーは4kcalです。
3大栄養素については別記事でより詳しく解説していますので参考にしてみてください。
あわせて読みたい:5大栄養素(3大栄養素+ビタミン、ミネラル)とは
PFCバランスの目安
摂取カロリーが同じ場合でもPFCバランスが整っているかどうかで健康状態大きな影響を与えます。
適切なPFCバランスは生活習慣病の予防や改善に効果がある事がわかっていて、日本では厚生労働省が目標となる指標を提示しています。*1
厚生労働省が示すPFCバランスの目標値
たんぱく質:13~20%
脂質:20~30%
炭水化物:50~65%
このバランスを目標とすることで生活習慣病の発症予防、重症化予防に効果的といわれています。
そのため、運動習慣に関係なく上記のPFCバランスに栄養比率を整えることは有効な健康管理の1つです。
ダイエットやボディメイクの時には調整が必要
厚生労働省の示すPFCバランスは生活習慣病に対する効果はあり有効なのは間違いありませんが、ダイエットやボディメイクをするような人たちには調整が必要です。
なぜなら、ダイエットやボディメイクでは健康維持ではなく運動のパフォーマンスとしてカロリー管理することになるからです。
基本的には筋肉の合成する力を高めるためにたんぱく質の比率を高めに調整します。
脂質や炭水化物の比率は目標や手法によって調整されますが基本的にはたんぱく質の比率に合わせて変動するものと考えると調整がしやすいです。
具体的な調整例については後述します。
PFCバランスの計算方法
それでは、具体的なPFCバランスの計算方法について解説していきます。
まずは計算にあたり必要な情報を解説していきます。
必要な情報①:PFCの各カロリー量
PFCそれぞれの解説でも説明しましたが、PFCそれぞれの1gあたりのカロリーは以下のようになっています。
PFCそれぞれの1gあたりのカロリー
たんぱく質:4kcal
脂質:9kcal
炭水化物:4kcal
脂質はたんぱく質、炭水化物と比べてカロリーが2倍以上あるため摂取量には十分注意したいところです。
また炭水化物は糖質としていつのまにかたくさん摂取していることが多いので実際に食事をする際には注意が必要です。
必要な情報②:メンテナンスカロリー(1日の消費カロリー)
メンテナンスカロリーとは私達が1日に消費するカロリーを計算したものです。
内訳は安静にしていても消費される基礎代謝量と日中の活動によって消費される活動代謝量から計算されます。
基礎代謝量の計算方法は色々ありますが、当ブログではダイエットやボディメイクをする方が多く読まれるということでハリス・ベネディクト計算式という計算式をオススメします。
基礎代謝量に普段の活動量から得られる係数(活動代謝量)をかけて1日に消費するカロリーを概算することができます。
係数については大体の判断でOKですがボディメイクを進める中で計算が狂ってると感じた際は係数を変更し再計算しましょう。
後から計算し直すことは全く問題ありません。
メンテナンスカロリーついては別記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
PFCバランス(比率)の計算
PFCの比率を計算するときはPFCごとに以下のような計算をします。
摂取量(g) × 単位カロリー(kcal/g) / メンテナンスカロリー(kcal) × 100 = 比率(%)
摂取カロリーの部分にたんぱく質・脂質・炭水化物のカロリー量を当てはめて計算します。
例えばメンテナンスカロリーが2,000kcalで、たんぱく質を1日50g摂取した場合、
50(g) × 4(kcal/g) / 2,000(kcal) × 100 = 10(%)
たんぱく質の比率は10%という結果が得られます。
逆に1日のたんぱく質の比率を10%としたい場合、
2,000(kcal) × 10(%) / 4(kcal/g) = 50(g)
10%にするのに必要なたんぱく質量は50gということが分かります。
このように計算式は比率から入るか、栄養素の絶対量から入るかで変わりますが利用する計算式は同じです。
PFCバランス計算例
この項ではPFCバランスの具体例を示しながら解説していきたいと思います。
今回は筆者(ぱらと)を例に計算していきます!
筆者のメンテナンスカロリーは約3,200kcalです。
一般的なPFCバランス
生活習慣病予防に効果的な一般的なPFCバランスでの計算は先ほどの解説を基準にたんぱく質15%、脂質25%、炭水化物60%として計算を進めます。
メンテナンスカロリーにそれぞれの比率をかけてみると、、、
たんぱく質:3,200(kcal) × 15(%) / 4(kcal/g) = 120(g)
脂質:3,200(kcal) × 25(%) / 9(kcal/g) = 88.8(g)
炭水化物:3,200(kcal) × 60(%) / 4(kcal/g) = 480(g)
たんぱく質120g、脂質88.8g、炭水化物480gという結果が得られます。
この結果は栄養素の量なので実際に食べる内容は計算結果を参考に組み立てます。
得られた数値から考える具体的食事内容
ざっくりとした計算になりますが肉類に含まれるたんぱく質は100g当たりおおよそ20gです(厳密には多少差があります)。
その計算でいくと120gのたんぱく質を摂ろうと思うと1日600gの肉を食べる必要があります。
そのため、3食で均等に摂ろうとすると毎食200gのお肉を食べれば良いという計算になります。
炭水化物の計算は白米100g当たり大体35gなので米だけで炭水化物を摂ろうと思うと1日1.3kg(約3.7合)必要です。
これを3食で割ると1食あたり約1.2合の炭水化物が必要というわけですね。
脂質は色々な食品や調味料に含まれるので食事に含まれている脂の量を計算のうえ逆算していくと調整しやすいと思います。
PFCバランスで計算したカロリー量を基に全体で必要な量を3食に分けて食べる量を考えることでどれくらい食べられるのか、あるいは現在の食事からどれくらい減らした方がいいのかわかりやすくしてくれます。
たんぱく質、糖質と異なり脂質の場合は積極的に摂取しなくても色々な食材に入っているのでどうやって摂取量を抑えるかを考えた方が調整しやすいです。
もちろん肉や白米以外の食品にもたんぱく質や炭水化物は含まれているので実際に食べる量はより少なくなりますが、食事の献立を考えるときの目安になります。
ダイエット・ボディメイク(筋トレ)の際のPFCバランス
ボディメイクをするならPFCバランスは厚生労働省が示す比率から調整する必要があることを先ほど解説しました。
内容としてはたんぱく質量を増やし炭水化物量を減らすような調整です。
具体的にはトレーニングの頻度や強度などにもよりますが、体重1kgあたり2.0g程度のたんぱく質は摂取しておきたいところです。
また、1回の食事で20g以上のたんぱく質が摂取できるようにすると身体のタンパク質合成が活発になりより効果的です。
これを筆者の身体に当てはめてみると体重は95kgなので、、、
95 × 2 = 190(g)
たんぱく質は190g必要ということが分かりますね。
たんぱく質の必要量を基準にPFCバランスを計算すると、
たんぱく質:190(g) × 4(kcal/g) /3,200(kcal) × 100 = 23.75(%) ≒ 24(%)
脂質:3,200(kcal) × 25(%) / 9(kcal/g) = 88.8(g)
炭水化物:3,200(kcal) × (100-25-24)(%) / 4(kcal/g) = 408(g)
脂質88.8g、炭水化物408gという結果が得られます。
脂質の割合を厚生労働省の基準から変更していないのでその分炭水化物の量が減った結果となりました。
何をどれくらい食べるか見えてくる
計算内容だけ並べられると混乱してしまいそうですが、自分の目標に合わせてPFCバランスを計算することで毎日どれくらいの栄養素をとればいいか明確に見えてきます。
栄養素から普段よく食べるものと照らし合わせてみることで何を食べ過ぎているのか?何が足りていないかを知ることができます。
食事の献立を1から組み立てるのは大変ですがPFCバランスを計算することで積極的に食べたい食材や減らしたい食材が簡単に見つかります。
ダイエットやボディメイクは運動などによる消費エネルギーの管理も大事ですが、摂取エネルギーの管理も重要です。
食べ方には注意が必要
PFCバランスの計算によってたんぱく質、脂質、炭水化物をどれくらい摂取すればいいかわかりましたが、食べ方にはいくつか注意があります。
まず1つ目はできるだけ均等に食べること。
1日の食事は3食の方が多いと思いますができるだけ1食あたりのPFCの割合に差をつけず均等に食べることが栄養補給の観点で良いです。
1日4食なら4等分、5食なら5等分で計算しましょう。
とはいえ、偏りがでることもあると思うのでその場合は前後の食事で調整すればOKです。
2つ目は不足がでないようにすること。
毎日食事をしているとPFCのバランスを完璧に守る事は難しい日もあると思います。
日によって脂質が計算より多くなったり炭水化物が多くなったり、、、
もし1日に摂取するべき計算量より多く摂取してしまうPFCがあったとしてもオーバーした分のカロリーを他のPFCを減らすことで調整しようとしないでください。
PFCバランスの計算で算出した数字はあなたが毎日必要とするPFCの量です。
そのため、多少オーバーすることはあっても不足するということはないようにしましょう。
全体のカロリー量がオーバーしてしまった場合は翌日以降の食事で調整するようにすると健康維持の観点でリスクが少なくなります。
PFCバランスの落とし穴
PFCバランスの計算には1つ落とし穴があります。
それは、人によって食べ物を消化給する力に差があるため、食べ物から栄養素をしっかり計算しても実際には思っているほど栄養素を摂取できていない場合があることです。
この対策としてはPFCバランスの計算結果に対して一定期間記録をとって体重変化を見る方法が1つあります。
ただし、この方法は時間がかかるので検査キット使って自分の栄養の代謝能力を調べる方法も存在します。
最近では手軽な検査で自分の消化吸収能力を検査するサービスもでてきているので活用するとより正確なPFCバランスを計算することが可能です。
PFCバランスを計算して効率的なボディメイクを
今回は食事の管理には必須な計算であるPFCバランスを解説しました。
簡単にまとめると、、、
・PFCバランスは1日に摂取する総摂取カロリーのたんぱく質、脂質、糖質(炭水化物)の比率
・基本的なPFCバランスはP:F:C=1.5:2.5:6.0程度
・ダイエットや筋トレでボディメイクする場合はたんぱく質比率を増やす調整が必要
・PFCバランスを意識することで普段の食事から食べるべき食材、減らすべき食材が見えやすくなる
PFCバランスの計算自体はダイエットを始める際や体型の目標を立てたときなど節目のときに行えば十分です。
しかし、PFCバランスを意識することで普段の食生活からより健康的な食事を自然と食べる習慣になるので是非理解を深めていただければと思います。
また、ボディメイクの大前提ですがカロリー収支がマイナスにならなければ体重は落ちませんし、収支をプラスにしなければ増量することはできません。
この記事で解説するPFCバランスはメンテナンスカロリーを基にしているので身体が本当に必要にしているカロリー量に対して大幅にずれることがありませんが、計算に対して体重の増減がうまくいかなければ調整することも大事です。
カロリー収支管理の重要性について詳しくは別の記事で解説しているので参考にしてみてください。
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