エントレ

普段はエンジニアとして働くNSCA-CPT持ちのパーソナルトレーナーが身体づくりと栄養について解説します。

効率的な水分補給の仕方を知って脱水症を回避しよう

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皆さんトレーニングしてますか?

運動中に限らず普段の生活中でも運動中でも水分補給は人にとって欠かせない行為です。

水分補給は大事であると誰もが理解していますが多くの方は自分がどれだけの水分を摂っているか、摂るべきなのか注意せず生活しています。

 

これは非常にもったいないことで水分補給を正しく行うことで普段の体調管理が楽になるだけでなく運動時のパフォーマンス低下を防ぐこともできます。

今回はそんな水分補給の大切さについて解説していきたいと思います。

 

【この記事で得られる情報】

・水分が不足した時身体に起こる症状(デメリット)

・どれくらいの水分を補給すれば良いのか

・どう水分補給するのが良いのか

水分が不足(脱水)すると身体はどうなるか?

身体の6~7割は水分でできている私たちは水分補給がないとあっという間に水分不足になってしまいます。

必要な水分補給がされないとず脱水症状を引き起こしてしまいますが、まずは水分不足で起きる脱水症の怖さを解説していきたいと思います。

 

脱水症とは?

脱水症とは身体から体液が多く出てしまい不足している状態で起きる症状を指します。

体液というのは純粋な水分の他、ナトリウム・カリウム・カルシウムなどの電化質を含んだものを指します。

体液が失われる原因は汗を大量にかいたり、下痢などで急速に体液が減少したりが主な原因です。

 

体液が不足すると血液量が減少し血圧が低下します。

その結果、体内の臓器を巡る血液量が不足して体内環境を一定状態に保つ機能であるホメオスタシス(恒常性維持機能)が崩れてしまいます。

ホメオスタシスが崩れ脱水症において現れる症状は以下のようなものがあります。

 

  • 集中力の低下
  • 食欲不振
  • 脚がつる
  • しびれ
  • 脱力

 

どの症状がでても運動パフォーマンスどころか普段の生活にも影響があります。

水分不足の状態が続き慢性的に水分が足りていない身体には脳梗塞心筋梗塞のリスクが高まることも分かっています。*1

一般的に身体の水分が1%失われると渇きを感じ、2%失われると集中力が低下し食欲不振になり、10%失われると何もしてなくても脚がつりはじめ、20%失われると生命の危機になります。

 

どのくらいの水分を補給するべきなのか?

脱水症の解説から脱水することの恐ろしさをご理解いただけたかと思います。

では、私たちはどれくらいの水分を摂取すればよいのでしょうか?

 

実は、この疑問に対して誰にでも当てはまる回答はありません。

なぜなら、必要な水分量は個人差、環境差があり同じ方の身体でもその日の活動量によって大きく変化してしまうからです。

 

筆者が拝見したことのある文献の水分に関する記述をまとめてみたところ1日あたりに必要な水分量は2.0~7.5Lと非常に幅があり一概に数値を決めることは不可能と考えてよさそうです。

そのため、最低限摂取しておくべき水分量を抑えておいてその日の活動量や天候に合わせて調整していくことが必要になります。

 

最低限摂取しておくべき水分量

最低限摂取しておきたい水分量は1日中安静にしている状態でも身体が必要とする水分量です。

安静時に身体が必要とする水分量は体組成情報などから計算する方法があります。

ここでは簡単に計算できる2種類の計算方法をご紹介するので自分の最低必要水分量を計算してみてください。

 

ポンド-オンス計算

1つ目は体重1ポンドあたり0.68オンスの水分が必要とする計算方法です。

日本人にはポンドは馴染みが薄いと思うのでkgの計算に直すと、1㎏あたり43.6をかけると算出できます。

体重70㎏の場合の計算例を示しておきます。

 

計算例:体重70㎏ × 43.6 = 3,052ml 約3L

この計算例では体重70㎏だと1日最低3Lは水分が必要ということがわかります。

 

年齢別計算

2つ目は体重1㎏あたり35mlの水分が必要とする計算方法です。

この計算方法では年齢によって体重当たりの水分量が変化します。

年齢50歳以上の方は30mlで計算、65歳以上の方は25mlで計算します。

1つ目の計算方法と同様体重70㎏の場合の計算例を示しておきます、年齢は30歳としておきたいと思います。

 

計算例:体重70㎏(年齢30歳) × 35 = 2,450ml 約2.5L

 

こちらの計算例では1日最低2.5Lh必要ということが分かります。

2つの計算例を比べてみてわかる通り計算方法によって必要な水分量大きく差がでます。

 

ここで計算された必要水分量は食事で食材に含まれている水分量なども含めた総量なので飲料としてこれだけの水分をとらなければいけない、というわけではありません。

 

運動時に必要となる水分量

安静時に必要な最低限の水分量は計算できることが先ほどの説明でご理解いただけたと思います。

計算された最低限の水分は毎日確実に摂取したいところですが、実際の生活では日々様々な活動をしています。

 

活動によって発汗量や体内で消費される水分量は大きく変化して実際に必要な水分量もも大きく変化していきます。

ここからは運動時に必要な水分量について解説していきたいと思います。

 

運動前

水分は身体が乾きを訴えるまえに補給することでより効果的になります。

脱水症の症状がでてからの水分補給では遅いので運動すると予めわかっている場合は体重1kgあたり5ml程度の水分を目安に補給しておくと急な発汗で水分が失われても脱水症になりづらくなります。

 

体重70㎏の場合は70x5=350mlが補給目安です。

意外に多いと感じられると思いますが運動直前にい一気飲みするのではなく1時間前ぐらいから小まめに飲んで運動開始時には補給し終わっているぐらいのペースで問題ありません。

また、運動前にエナジーゼリー系などの食品を食べる場合はそれらに含まれる水分も含まれるので純粋に水分だけで摂取しなくてもOKです。

 

運動中

ランニングのように継続的な運動で発汗する場合、発汗量は1時間あたり1.0L以上にも及ぶ研究結果*2も報告されています。

運動中に必要な水分は特に個人差、環境差が出やすい部分なので調整する必要がありますが少なくとも1時間に1L程度の水分を補給することを目安にしたいところです。

 

運動後

運動後も運動中の活動の余韻で発汗量が多い状態が継続されるので500ml程度の水分を1-2時間以内に意識して補給しておきましょう。

それでも喉の渇きを感じるなどした場合は適宜100~250ml水分を補給し渇きの解消を図ってください。

 

運動後の場合は身体が渇きを感じているかどうかを目安にしてしまって構いません。

注意したいのは水分補給を目的に糖質が沢山含まれる清涼飲料水をガブ飲みしてしまうとエネルギー過多になりやすい点です。

飲料の種類には気をつけましょう。

 

水分が足りているかどうかの確認方法

ここまで解説した目安の水分を補給していても十分な量なのか分かりにくいという場合があると思います。

ここでは水分補給の状態が十分であるかを確認する方法を解説したいと思います。

主に2つの確認方法があります。

 

喉の渇き

1つ目は喉の渇きを感じていないことで確認する方法です。

脱水症の項で解説した通り1%の水分が失われると喉の渇きを感じます。

 

そのため、喉の渇きを感じないことは水分補給が十分か確認する重要な方法です。

口の中に粘り気を感じたり喉がカサつく感覚がある場合は喉が渇いている証拠ですので積極的に水分補給しましょう。

 

 尿の状態

2つ目は尿の色や臭いで確認する方法です。

水分が不足すると老廃物として排泄される尿の濃度が高くなるため色が濃くなり臭いも強くなります。

正常な状態であればレモン色に近い薄い黄色で臭いもほとんどありません。

 

頻繁にトイレに行きたくなるほど水分を摂取るのもよくありませんが、そもそもトイレに行きたくならないというのは水分が不足している証拠なので確実な水分補給をするようにしましょう。

 

どのように水分を補給するべきなのか?

水分の必要な量が分かったところでどのように水分補給すればよいのか解説していきたいと思います。

 

どんな飲み物を飲めばよいのか?

普段生活しているときは急速に体液が減っているわけではないので、飲み物は水や清涼飲料水などお好みの飲み物でOKです。

コーヒーやお茶などカフェインを含む飲み物やアルコールの場合は利尿作用で飲んだ水分量以上に排泄されてしまう場合があるので水分補給とは捉えないように注意が必要です。

 

運動時のように急速に体液が失われている場合、体液濃度を回復するため水分だけでなく電解質も補給する必要があります。

そのためスポーツ飲料などの電解質が多く含まれている飲み物が有効です。

 

スポーツ飲料の場合、エネルギー源として糖質も多く含まれているのでエネルギー不足の懸念がない時は薄めたスポーツ飲料に食塩を足したり塩タブレットを合わせることで対策すると良いと思います。

最近では経口補水液として0.2-0.3%の食塩が含まれた飲み物も販売されているのでそちらを利用してもOKです。

 

熱中症対策という点ではアイススラリーという特殊な飲み物もあります。

アイススラリーは水分・電解質を急速補給しながら体温を下げる効果が高い飲み物で熱中症の起きやすい夏場に活躍する製品です。

 

 

詳しくは別記事で解説しているので気になる方は読んでみてください。

あわせて読みたいアイススラリーとは? 

 

飲み物の温度

飲み物の温度については安静時であればお好みの温度でOKですが、あまりキンキンに冷やしていると内臓温度が下がり機能が低下する恐れがあるので注意しましょう。

特に夏場は暑さを和らげるためにキンキンに冷やした飲み物を飲みがちですが内臓が冷えることで発汗能力なども低下するので気をつけましょう。 

 

ただし、急激に体温が上がる運動時などは冷やした飲料を飲むことで内臓温度を下げて熱中症などを防ぐ効果もあります。

この効果を狙ってスポーツ時の水分補給は10℃前後が良いという報告もあります。*3

 

こんな方は水分補給の仕方に注意

積極的な水分補給を促す内容の解説をここまでしてきましたが身体の状態によっては水分補給の仕方に注意が必要です。

 

血糖値の高い人の場合

血糖値の高い人は血液中に糖が多くある状態なので電解質が失われやすくなっています。

そのため、血糖値の高い人は日ごろから電解質の補給を注意して行う必要があります。

血糖値の高い方は医師からの水分制限などされている場合もあるので基本的には指示を守るのがベストです。

 

血圧の高い人の場合

血圧が高い人の場合、塩分を控えめにとアドバイスを受けているため電解質の摂取が不足しがちです。

実は汗と同じぐらいの濃度なら問題にはなりませんので0.2-0.3%濃度の飲料や経口補水液を飲むなどして対策しましょう。

 

下痢などの場合

下痢の場合体液と共に糖質も多く失われているためスポーツ飲料などで糖質も同時に補給して起きたいところです。

ただし、電解質が不足していると糖質が吸収されづらいので食塩などの用意も忘れずにしましょう。

 

適切な水分補給で健康維持

今回は意外と普段の生活で見落としがちな水分補給について解説しました。

自分の生活を振り返ってこの記事に解説した計算と比べてみると大抵の方は水分が不足していると思うので積極的に水分補給をしていきましょう。

 

また、計算も大事ですが途中で解説したような水分補給状態の確認を行い体感的に水分量が足りているかどうかも判断して適切に水分を補給していきましょう。

 

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*1:「健康のため水を飲もう」推進運動:厚生労働省

*2:運動時の発汗量 と水分摂取量 に及ぼす環境温 度(WBGT)の 影響

*3:水分補給を通じてスポーツパフォーマンスの向上を応援・サポートする5-15℃PROJECT 『運動時の水分補給に最適な水温は5℃~15℃』スポーツパフォーマンス向上の観点から実証 ~横浜国立大学 田中英登教授との共同研究より~