皆さん筋トレしてますか?
健康ブームのおかげもあり程度の差はあれレジスタンストレーニングをする方が増えていることを体感しています。
ブームの後押しを受けて様々なトレーニング方法が出回っていますが、このトレーニングで本当に筋肉が鍛えられるの?と疑問になるものも結構あると思います。
実際、筋肉が受ける刺激というのは大きく2つの種類がありどちらの刺激でも筋肉を発達させることができます。
それぞれの刺激についてキチンと理解をしておくことでそのトレーニングが筋肉の発達に有効化どうか判断することができるようになります。
筋肉の発達メカニズムについては別記事で詳しく解説してるので参考にしてみてください。
そこで今回は筋肉が受ける2種類の刺激について解説をしてより効率的にトレーニング成果を得られるようにしていきたいと思います。
既にトレーニング習慣のある方も筋肉が受ける刺激について理解を深めることで現在のトレーニングプログラムを見直す余地が見つかるかもしれません。
この2種類の刺激をしっかりと理解しておかないと効率の悪いトレーニングを続けて思ったように筋肉が発達していかないことも考えられます。
また、トレーニング中に辛くなってきたときになんとなくきついと感じるよりも"今はこういう刺激を受けてきついんだ"と理解しているだけでモチベーションを維持しやすいと思います。
【この記事で得られる情報】
・筋肉が受ける2種類の刺激について
・刺激の違いによるトレーニング方法の違いについて
・それぞれの刺激の使い分けについて
- 【この記事で得られる情報】
- トレーニング方法にって違う筋肉への刺激
- 物理的刺激(メカニカルストレス)
- 化学的刺激(ケミカルストレス)
- 共通する注意点
- どちらの刺激を優先するべき?
- 刺激に対する身体の応答の違い
- 2種類の刺激を駆使して効率的に筋肉を発達
トレーニング方法にって違う筋肉への刺激
冒頭でも説明した通りトレーニングによって筋肉が受ける刺激は大きく2種類に分けることができます。
それぞれ物理的刺激(メカニカルストレス)と化学的刺激(ケミカルストレス)呼ばれています。
どちらも筋肉を発達させるという意味で重要な刺激なのでしっかり理解を深めておきましょう。
物理的刺激(メカニカルストレス)
物理的刺激(メカニカルストレス)は文字通り筋繊維に物理的に強い負荷をかけたときの刺激を指します。
物理的刺激を主としたトレーニングでは、重いウェイトを使って少ない回数のトレーニングを行うことが多いです。
物理的刺激では強烈な刺激によって筋繊維が傷つくのでそれによって筋肉の成長因子が分泌されて筋肉が成長するきっかけとなります。
負荷の強さによっては1回の挙動で十分な物理的刺激を得ることもできます。
メカニカルストレスを与えるトレーニング方法
メカニカルストレスによる筋肉の発達を促す場合は高重量低回数の大きな負荷を与えるトレーニングが基本になります。
そのため、1setごとのトレーニング強度を落とさないようにインターバルは長めにとってキチンと回復させてから次のsetに臨むようにします。
インターバルが不十分だとこの後解説する化学的刺激(ケミカルストレス)が蓄積してしまいパフォーマンスが落ちてきてしまいます。
大きな刺激をガツンと筋肉に入れることがメカニカルストレスによる筋肉発達を促すポイントです。
インターバルについて目安5分前後となりますが刺激する筋肉群が小さい(肩・腕など)場合はその分回復も早いので3分前後に短縮しても構いません。
化学的刺激(ケミカルストレス)
化学的刺激(ケミカルストレス)は筋肉内の環境を悪化させることで受ける刺激を指します。
軽いウェイトでも回数を多くこなしたり、筋肉を収縮させっぱなしにしてると徐々に筋肉がパンパンになって疲労してくる経験は皆さんあると思います。
ケミカルストレスは筋肉をそのような状態にしていくような刺激です。
ケミカルストレスを受けている筋肉の中では活性酸素によるダメージ、酸素濃度の低下、ATPの減少、カルシウムやカリウムイオンの減少、pH低下などが起きています。
これによって筋肉の環境が悪化するというストレスが強烈にかかり筋肉は負荷として対応しようとして結果として筋肉が発達します。
また、ケミカルストレスを受けると成長ホルモンや男性ホルモン(テストステロン)が分泌され筋肉の発達が促されやすい状態にすることができます。
ケミカルストレスを与えるトレーニング方法
ケミカルストレスによる筋肉の発達を促す場合は低重量高回数で小さな刺激を沢山入れトレーニングや筋肉を収縮させっぱなしにするアイソメトリクス的な刺激を長い時間入れるトレーニングが基本になります。
他にもテクニカルなトレーニング方法として加圧トレーニングやスロートレーニングといった方法もあります。
ケミカルストレスを狙ったトレーニングをする場合も基本的にはインターバルはキチンと取ります。
ただし、1setあたりの回数を減らしてインターバルを短めに調整してケミカルストレスを狙う方法もあります。
ケミカルストレスによる筋肉発達を促すアプローチはメカニカルストレスを狙ったトレーニングに比べて沢山あるので自分にあったプログラムを選択したいところです。
共通する注意点
メカニカルストレスとケミカルストレスについて理解が深まったところで刺激を与える際に注意したいことを解説します。
これはどちらの刺激についても言えることですが狙った部位を刺激できるようにすることが重要です。
エクササイズによって刺激される(稼働する)筋肉は様々です。
元々複数の筋肉を狙ったトレーニングをする場合は別ですが筋肉への刺激は限定的であるほど効果的になります。
稼働する部位が多いほどメカニカルストレスは分散しケミカルストレスは蓄積しにくくなります。
複数の筋肉に刺激が分散した状態で中途半端にトレーニングすると刺激が不十分でうまく筋肉が発達してくれない可能性が高まってしまうので注意が必要です。
メカニカルストレスならメカニカルストレス、ケミカルストレスならケミカルストレスと目的をしっかり持ってトレーニングプログラムを組むことは十分なトレーニング成果を得るのに重要です。
どちらの刺激を優先するべき?
先述した通りメカニカルストレスとケミカルストレスそれぞれのトレーニング方法は異なります。
その場合どちらの刺激を優先するべきか気になってきます。
結論から言うとどちらも重要なので優先させるという概念は持たない方がよいです。
そのため、両方の刺激をバランス良く与えるのが筋肉の発達には良いとされています。
両方の刺激を与える方法
両方の刺激をバランス良く与えるにはトレーニングプログラムをどのように工夫すればよいのか?
これも様々な方法がありますが2つの方法が主に用いられています。
それは同時にトレーニングする方法と、トレーニングスパンをわける方法です。
同時にトレーニングする方法
メカニカルストレスとケミカルストレス両方を同時に与える場合はメカニカルストレス→ケミカルストレスの順になるようにトレーニングプログラムを組みます。
トレーニングセットとしてはドロップセットなどで最後の軽い重量ではrepを定めず疲労しきるまでやる、といった方法が良く知られていると思います。
同時にトレーニングする時、稼働する筋肉をメカニカルストレスからケミカルストレスに移行する時に減らすと最後まで部位を追い込むことができます。
例えば、スクワットでメカニカルストレスを入れるトレーニングをした後、レッグエクステンションでケミカルストレスを入れるようなトレーニング方法です。
トレーニングスパンをわける方法
トレーニングスパンを分ける場合は4週間を目安にメカニカルストレスとケミカルストレスのトレーニングを交互に行う方法です。
トレーニングスパンについては2週間程度が良いとする報告もありますが4週間から設定して調整していくと良いかと思います。
トレーニングスパンをわけることで筋肉が受ける刺激を変化させ慣れせないようにするメリットがあります。
筋肉が同じような刺激に慣れるとだんだん刺激に対して反応しなくなり筋肉の発達が鈍ってしまうのでトレーニングスパンを分ける方法などでうまく対応したいところです。
刺激に対する身体の応答の違い
メカニカルストレスとケミカルストレスで刺激の原理が異なるのでそれに応答する筋肉の反応(発達の結果)も少しずつ異なります。
どちらの刺激も筋肥大や筋持久力の向上に効果がありますが強調されやすい効果は異なります。
メカニカルストレスによる身体の応答
メカニカルストレスを受けた筋肉は筋繊維がダメージを受けそれに負けないように成長因子の分泌をして筋肉を強化する傾向にあるので筋肥大に有効です。
筋肉が発揮できる最大出力を向上させやすい刺激がメカニカルストレスと言えます。
ケミカルストレスによる身体の応答
メカニカルストレスを受けた筋肉は筋肉内の環境悪化という負荷に負けないように対応しようとするので筋持久力を向上させやすい傾向にあります。
また、成長ホルモンなどのホルモンの分泌により筋肉を発達させやすい状況を作り筋肥大や筋力アップの効果も期待することができます。
ホルモン分泌などの影響もありエネルギー消費(脂肪燃焼)も多くなる傾向にあるのでどちらかというと身体のシェイプを整えたい方にオススメしやすいです。
2種類の刺激を駆使して効率的に筋肉を発達
今回はトレーニングの仕方によって変わる筋肉への2種類の刺激について解説しました。
SNSなどで発信されている情報などを見ると筋肥大ならメカニカルストレスが強調されるトレーニングじゃないと駄目と断言していたりしますが実際にはケミカルストレスの刺激でも筋肉は発達してくれます。
また、ケミカルストレスによる脂肪燃焼効果を狙っているのにケミカルストレスを与えるのに不十分なトレーニングを紹介しているような場合も散見されます。
実際にそれぞれの刺激を使い分けるには知識と経験が必要になってきますが見かけた情報がどちらの刺激を強調しているのか程度はこの記事の内容を理解して判断できるようになっていただきたいところです。
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