エントレ

普段はエンジニアとして働くNSCA-CPT持ちのパーソナルトレーナーが身体づくりと栄養について解説します。

あなたのHIIT本当に効果あるやつ?HIITを正しく理解して効率的にトレーニング

f:id:parato:20200515233415p:plain

皆さんHIITしてますか?

運動で脂肪燃焼しようと思ったとき昨今流行っているのがHIITと呼ばれるインターバルを挟みながら強度の高い無酸素運動を繰り返すエクササイズです。

このトレーニングは単純にランニングの有酸素運動をしたり筋トレのような無酸素運動をするよりも脂肪燃焼効果が高いと言われていてSNSなどでも沢山やり方が紹介されています。

 

HIIT自体はとても有効なトレーニングなのでトレーナー目線では嬉しい事だと感じる一方で本来のHIITの目的ややり方から外れた"なんちゃってHIIT"を紹介している方も多く見かけるようになりました。

もちろんなんちゃってHIITでも運動としての効果ありますが本来狙っている効果よりは低くなってしまいます。

そこで今回は正しいHIITについて理解していただくために解説をしたいと思います。

 

この記事を通して正しいHIITについて理解していただいて普段のトレーニングに取り入れていただければと思います。

【この記事で得られる情報】

・HIITと呼ばれるトレーニングの概要について

・HIITをやる正しい目的について

・HIITのやり方(内容の決定の仕方)について

・HIITのダイエット面での効果、競技パフォーマンス面での効果について

HIITとは

HIITとはHigh-Intensity Interval Trainingの略で日本語では高強度インターバルトレーニングと呼ばれるインターバルトレーニングの一種です。

インターバルトレーニングは高強度の運動と低強度または休息の運動を交互に行うトレーニング方法で学生の頃にシャトルランなど行ったことがある方はイメージしやすいでしょうか。

 

インターバルトレーニング自体は50年以上前から存在するトレーニング方法ですが近年HIIT関連の研究報告が増えてきたこともありアスリートの間でHIITへの注目が集まっています。

また、脂肪燃焼効果が高いことなども分かってきているためフィットネス業界でも続々と取りあげられています。

 

そのため、HIITは運動でダイエットをしたい方やスポーツ競技でパフォーマンスを向上させたい方に広く活用されるトレーニング方法の1つになっています。

HIITをやる本来の目的

HIITはその運動の特性からいくつかの効果を期待できるトレーニングですがHIITの本来の目的を理解しないままだとなんとなくやるトレーニングになってしまい効果的ではありません。

HIITをやる本来の目的とは高強度トレーニングの総量を通常よりも増やすことです。

 

これはどういうことかというとHIITで行う高強度のエクササイズは通常連続で行うと1分と持たない運動ですがHIITとしてやることで総時間として5分や10分行うことができるようになるということです。

 

ここでいうHIITの高強度の運動強度とは全力疾走かそれに準じたレベルの強度です。

普通なら全力疾走は30秒と持ちませんがHIITなら全力疾走レベルの強度がキープできる10~20秒トレーニングをしてその後10~30秒休むといった形式になるので結果的に何本か全力疾走することができます。

すると連続だと30秒しかできない全力疾走レベルの運動をHIITなら合計で3分間行うことができるということになります。

 

結果的に強度の高いトレーニングを沢山できるということになるのでこれに対応しようとする身体のいくつかの反応が持久力の向上や脂肪燃焼効果といった成果として現れることになります。

高強度でやる運動時間を連続でやるよりも増やすことができると理解したうえでHIITによって得られるトレーニング効果を期待したいところです。

HIITの効果

HIITをやる場合ダイエット目的の方と競技パフォーマンスアップ目的の方では同じ内容のHIITをやるとしても狙いが違います。

自分がHIITをやるときにどちらの狙いがあるのかきちんと把握した上で取り組まないと思ったような効果が出ない可能性があるので注意してください。

 

ダイエット面での効果

ダイエット(減量)目的の方がHIITを行う場合HIITの脂肪燃焼効果を狙っていると思います。

HIITをやることでグルコース代謝を向上させて脂肪を燃焼しやすくさせる状態を長くキープする効果がある*1のでHIITを定期的に行うことで長い時間をかけて有酸素運動するよりも効率的にカロリー消費を増加させられるます。

時間をかけて運動することができない方や単調な運動を長くやるのがモチベーションに繋がらない方が積極的に採用している脂肪燃焼方法です。

 

また、HIITには沢山の種類があるのでダイエット目的であれば定期的にHIITの内容を変えてしまっても最終的な成果は同じように得られる可能性が高いので運動はしたいけど飽きっぽいという方にもお勧めできるトレーニング方法です。 

競技パフォーマンス面での効果

競技パフォーマンス向上を目的とした方がHIITを行う場合心肺機能向上による競技持久力の向上を狙ってやっていると思います。

HIITをすることでVO2maxと呼ばれる有酸素能力が向上します。

有酸素能力が向上すると筋肉が必要なエネルギーを有酸素的に供給する能力が高まるので筋肉中のグリコーゲンが枯渇しにくくなり結果的に筋持久力が向上しることになります。

 

これはバスケやサッカーのように間欠的に動くスポーツにおいて試合の最後まで走りきる持久力を間接的に向上させる効果が期待できます。

また、マラソンなどのように持久系のスポーツをされる方にとっても有酸素的に動いている時の筋肉へのエネルギー供給能力が向上して一定の出力で運動するような持久力を向上させる効果も期待できます。

HIITのやり方

HIITはあくまでトレーニング方法の名称であってHIITのルールを守っていればやり方については決まりがありません。

そのため、HIITをやるときのエクササイズの選択肢はかなり自由度が高くなっています。

HIITを正しく実行するために守るべき最も重要なルールは運動強度の設定です。

これが間違っているとHIITの効果はあまり期待できません。

HIITの運動強度

HIITで行う運動の強度はどうやって決めるべきかというと厳密には先述したVO2maxと呼ばれる有酸素能力を100%~120%引き出すような強度を選択することが一般的です。

ただし、VO2maxは専門機関での測定が必要で私たち一般レベルのダイエッターや競技者では知るのが難しい項目です。

そこで100%VO2maxの運動を行った時の心拍数のデータから逆算する方法がよく利用されます。

その計算式は下記の通りになっています。

予備心拍数 x 目標運動強度(%) + 安静時心拍数=目標心拍数

予備心拍数は年齢によって変わる数値で最大心拍数(220-年齢)-安静時心拍数によって計算されます。

目標運動強度は%VO2maxのことでHIITの場合100~120%で設定されます。

 

例えば年齢30歳、安静時心拍数65拍/分、100%VO2maxのHIITをやろうとした場合、

(220-30-65) x 100% + 65 = 190拍/分

という計算結果が得られます。

実際に自分の安静時心拍数を測定のうえ100~120%VO2maxの目標心拍数を計算してみるとかなり高強度の運動を行わないと到達しない心拍数であることがわかります。

 

世間で流れている多くのHIIT情報ではこの運動強度設定が個人によって変わることを言及しないままエクササイズの内容だけで発信しているため人によってHIITとして成立していない場合があるので注意が必要です。

目標心拍数が決定したうえでエクササイズの内容や高強度の運動時間、インターバルの時間、セット数などを決定していくことで正しいHIITを行うことができます。

 

そのため、本来は同じトレーニング時間でも個人でエクササイズの内容が変わったり運動の速度が変わることがあります。

 

そんなHIITですが筆者がHIITをやるときはタバタプロトコルと呼ばれるHIITをやることが多いです。

このプログラムは肉体的にも精神的にもかなりきついですが時間的メリットが大きくトレーニング効果の体感が大きいので積極的に採用しています。

タバタプロトコル

タバタプロトコルは1996年に立命館大学の田畑泉教授が報告したHIITのやり方で20秒の超高強度運動と10秒の完全休養を1セットにした4分間(合計8セット)のトレーニング方法です。

タバタプロトコルの場合、高強度運動の部分はVO2max比率でいうと170%の超高強度で行う必要があるので4分間だけですが他のHIITよりも終了後の疲労感は大きいです。

 

実際にやってみると分かりますが終了後は意識が飛びかけるかあまりのキツさに嘔吐することがよくあるぐらいの強度なのでやる前の憂鬱さは半端ではありません。

逆にタバタプロトコルを終えてもまだ運動できる・喋る余裕があるという方はやり方が間違っているので注意してください。

HIITを正しく理解して効率的にトレーニン

今回は最近はやりのHIITについて正しい理解を深めるための内容を解説しました。

具体的なHIITのやり方についてはあえて触れませんでしたがこの記事の内容を理解することでSNSで拡散されているHIITがあなたにとって本当に効果があるか判断できるようになると思います。

HIIT自体はとても有効なトレーニングなので是非この記事の内容を理解して効率的にトレーニングしていきましょう。

 

「エントレ」ではダイエットを含む身体づくりに関する相談をお受けしています。

お問い合わせはお問い合わせフォームまたはTwitterアカウントへDMやリプライでも受け付けております。

NSCA-CPTトレーナーである筆者が丁寧に対応させていただきます。

まずはお気軽にご連絡ください。 

*1:High-intensity aerobic interval training increases fat and carbohydrate metabolic capacities in human skeletal muscle.Perry,Christopher G.R.;Heigenhauser, George J.F.; Bonen, Arend; Spriet, Lawrence L. 2008